画期的な入れ歯を開発! 英ロンドン大「タコの吸盤」の原理を応用して保持力2倍に‼
入れ歯(義歯)を使っている人にとって、入れ歯を口の中でしっかり固定することは大問題。多くの人が市販の入れ歯安定剤に使っているが、衛生面や使用感に不満を持つ人もいる。 【写真】ほぼ失明状態の米国男性が遺伝子治療で視力回復…生まれたばかりの息子の顔が見られた! イギリスのロンドン大学キングス・カレッジの研究グループが、「タコの吸盤」の原理を応用した画期的な入れ歯を開発して話題になっている。 タコは、接触しているものと触手の吸盤内部に真空を作り出すことで、強力に吸着することができる。研究グループは小さな吸盤を入れ歯に取り入れることで、口内の粘膜にしっかり固定できると考え、CAD(コンピューター支援設計)を使用し、入れ歯の3Dプリントモデルを設計した(写真)。 このモデルを分析したところ、通常の入れ歯よりも保持力が高いことが確認された。ただし、使用者が簡単に取り外せる強度に調整されており、保持力は通常の入れ歯の2倍ほどだという。そうか、強力過ぎてもダメなわけだ。 この研究の責任著者であるシャリフ・エルシャーカウィ博士は次のように述べている。 「長年、臨床で義歯使用者と向き合ってきた経験から、彼らの生活を改善したいと強く思っていました。ある日、桃を食べているときにその皮が口蓋に張り付く感覚から、自然界の粘着性に着目しました。タコの吸盤はまさに理想的な研究対象でした」 イギリスで入れ歯を使用している人は全人口の約11%。世界で入れ歯を使う必要のある人は約3.5億人だという。「タコの吸盤入れ歯」は彼らの福音になるか――。