「図解と文章の」伝達力の違いを“図解”してみる、1度で理解できないような文章は「悪文」である
「箇条書き」は、よく考えると問題があります。箇条書きには、各項目の優先順位や大きさあるいは因果関係などが盛り込まれていないからです。 項目間の関係をも表現できる図解は、箇条書きの情報をさらにもう一段深めた表現法であるといえます。 文章は、細かなニュアンスや言葉のあやで微妙な表現も可能ですが、図解は細かな部分は省いてしまうので情報の整理がすっきりとして切れ味がいいという特徴があります。 思い当たることがあると思いますが、文章は自分が十分に理解していない場合でも理解しているような顔をして書くことができます。
図解は自分が理解していない場合は、人に見せることを躊躇してしまいます。図解では描いた本人の理解度がモロに出るため、ある程度の自信がなければ、人に見せることにためらいが生じるのです。だから、さらによく考えようとする。それが大事なのです。
久恒 啓一 :多摩大学名誉教授、宮城大学名誉教授、NPO法人知的生産の技術研究会理事長