「債券自警団」ここにあり-米国債利回り急上昇がトランプ氏に通告
超党派の非政府組織(NGO)「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」は先月、トランプ氏の政策により米政府債務は2035会計年度までに、現在の予測レベルから7兆7500億ドル増加すると推計した。
CRFBは増加幅を1兆6500億ドルから15兆5500億ドルと推計しているが、すでに上院は共和党が多数派となり、下院も共和党が優勢となっているため、共和党が議会を独占する可能性が高まっている。そうなると、トランプ氏の計画が政治家によって阻止される可能性は低くなる。
RBCブルーベイ・アセット・マネジメントのマーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)は「財政政策は今日、米国の赤字と債務の規模から、われわれ投資家にとってより重要なものになっている」と述べた。
5日の投票に先立ち、米国の債券利回りおよびインフレ期待はすでに上昇傾向にあった。長期金利の動向を示す市場指標である10年物ブレイクイーブン・レートは4月以来の高水準となる2.43%まで上昇していた。
トランプ氏の政策はインフレを招くものと考えられており、一部のエコノミストは、米連邦準備制度理事会(FRB)が7日に0.25ポイントの利下げをした後、従来予想よりも小幅な利下げを実施する可能性があるとみている。これも債券相場への圧力となる。
投資家が長期債を保有するリスクに対する補償として求めるいわゆる「期間プレミアム」も上昇している。ニューヨーク連銀の10年物期間プレミアムモデルでは、9月のマイナス29ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から、11月4日時点には約22bpに上昇していた。
ニューバーガー・バーマンのシニアポートフォリオマネジャー、ロバート・ディシュナー氏は「政府は、予算管理に注意を払わないと投資家から高い報酬を要求される可能性があることを念頭に置く必要がある」と述べた。
原題:US Yield Spike Sends Message to Trump: Bond Vigilantes Are Awake(抜粋)
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Liz Capo McCormick, Anchalee Worrachate, Greg Ritchie