デュープ文化 が美容ブランドに与える影響。コピー品に対するブランドのさまざまな対応:Beauty &Wellness Briefing
美容業界に出没する亡霊がいる。それは、デュープ(模造品、コピー商品)の亡霊だ。
若い世代からは代用品扱いのコピー商品
過去3年間で、コピー商品とその蔓延によるデュープカルチャーは美容業界の悪者としての座を急速に築きつつある。コピーされたブランドは、顧客が低価格の模造品を購入して、自社のブランド価値が損なわれることを懸念している。これまでは、模造を指す表現として「模造者」や「コピーキャット」のような軽蔑的な言葉が使われていたかもしれないが、「デュープ」という言葉には、消費者が資本主義的な企業を出し抜いて、同じレベルの代替品をもっと安い価格で見つけられるという誇りのようなものが込められている。その結果、プレミアムブランドは自社の価格を正当化するためにこれまで以上に大きな負担を抱えている。ブランドは自社製品の購入価値を顧客に伝えようと常に尽力してきたが、デュープカルチャーにより、自社製品の購入価値の理由と他社が真似できない理由をさらに詳しく説明するように迫られており、それを強いられている場合もある。 「若い世代は(デュープを)ブランドの模倣とは考えていない。代替手段だと考えているのだ」と述べるのは、ニールセンIQ(Nielsen IQ)の美容バーティカルバイスプレジデント、アンナ・メイヨー氏だ。「特に頻繁にコピーされていて、それが自社にとって何を意味するのかを理解したい大手ブランドにとって、これが最優先事項であることは承知している」。 どのプラットフォームがデュープカルチャーに最大の影響を与えているかを定量的に導き出すことは困難だが、できるかぎり多くのオーディエンスにリーチできるようにコンテンツがデザインされていることを思えば、質的にはTikTokが主要な推進力であると考えて間違いはないだろう。TikTokでは、ハッシュタグ #makeupdupes、#beautydupe、#highenddupesの累計再生回数が12億回を超え、その数は日々増えている。