【タカオカ解説】アメリカ大統領選 バイデン氏撤退・大逆転のシナリオ「30代・無名の若者」が新候補に!?トランプ陣営は副大統領にサプライズ?7月の共和党大会を見たバイデン陣営の発表に注目!
まず、一人はアメリカ人では大変有名な人です。日本では、お好きな方はお好きというボブ・ウッドワード氏というアメリカの本当に“すご腕のジャーナリスト”です。歴代の大統領の“内幕本”を本人に取材して書いて毎回ベストセラーになっています。中にはこの人の記事のおかげで大統領を辞めたという人もいるぐらいでございますが、この方、もともとあまりトランプ前大統領のことをよく書きません。直接取材もされている本を3冊か4冊出していますけれども、トランプ前大統領に関わる本は、タイトルを見たらあんまりいい感じを持てないと丸分かりです。「恐怖」とか「危機」とか「怒り」がタイトルに必ず入っています。だから、どちらかというとバイデン大統領に頑張ってほしいという形でしたけど、この方が(討論会を見て)「とてもひどくて最悪だった」という言い方をして、「(バイデン大統領は)避けられないんじゃないか辞めるのは」という言い方をしました。
それから「ニューヨークタイムズ」これニューヨークの新聞です。ニューヨークというのは本当に民主党バイデンさんの陣営の支持する方が大変多いところ。そこの代表する新聞社が「もはや身を引くべき時だ」という言い方をしていて、この2つは全米の有権者に大変影響力があるわけであります。とは言っても、やっぱりバイデン大統領ご自身の戦いでないわけです。やはり「トランプ元大統領、それから共和党に負けるわけにはいかない」というその陣営の考え方としては、何とかここから時間がなくても逆転したいという戦略が3点ございます。
まずバイデン大統領が一度諦めるというにしても、ご家族に言われて諦めたらあまりにもアメリカ的で、「じゃああなたは自分で決められないんですか」ということになるわけですが、ちょっと今バイデン大統領が苦しんでいる問題に関わる、この人に言われて私やめたんですと強調すると、実はバイデン陣営の得点は上がると言われております。その方、ご覧の皆さんはあんまりご存じないと思います。チャック・シューマーさんというアメリカでは大変有名で映画で取り上げられるような超有名上院議員です。この方はですね、アメリカの議会のドンでもあります。まあバイデンさんの後ろ盾でもあります。ニューヨークから選出をされていますので、民主党の大物です。大事なのはこの人ユダヤ系なんですね。ユダヤ系の方が日本で言う「公の仕事」公職の中では最高位についておられます。院内総務といいまして、もう民主党の議会のトップです。バイデンさんにとってものすごい逆風だったのは「イスラエルガザ問題」なんですね。当然アメリカではイスラエル・ユダヤ系の方は、お金持ちが多いですから、アメリカはイスラエルを応援する。しかしアメリカの若い人たちは、バイデンさんに失望したというのは、ガザの子供たちやなどの映像流れてきますよね、バイデン政権はずっとその戦争に弱い立場の人たちが傷ついているのをほったらかしにするのか?ということで人気落ちていたんです。シューマー氏は、イスラエル寄りのユダヤ系ですから応援するのかというと、実はバイデンさんとすごく溝がありまして、イスラエルのネタニヤフ首相を名指しで春先からずっと「軌道修正しろ」と「ガザの人たちの保護策を考えろ」と。これはもう全然バイデン政権がやっていることと違うわけです。しかもこの方は退役軍人の支援をめぐって、アメリカの軍人から大変な支持があります。だからまあ大きな票を握っている人です。この人に「じゃあ辞めなさい」と言われたということが、いつ発表になるかということをアメリカのメディアがちょろちょろ書くんですね。これね、実は言ってもらった方がバイデン陣営にとっては得点になります。こんなにイスラエルに同情すると思われていた人ですらやっぱりちゃんとした常識を持っているんだと。その人の常識をちゃんと大統領は受け入れたんだ。ということになりますと、わがままを突っ走ってるという風には取られないということです。
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