ラーメン店の看板を「進入禁止」と勘違い? 自動運転車の誤認問題、このままでは危険すぎる?
自動運転の突破口「標識誤認問題」
自動運転車の実用化には、限定的なレベル4や完全自動運転を目指すレベル5があるが、依然として多くの課題が残っている。特に、 「標識の誤認問題」 は大きな障壁となっており、一般道路での走行を実現するためには解決すべき重要な課題だ。 レベル4やレベル5の自動運転では、車両が周囲の道路状況や他の車両との関係、道路交通法に基づいて適切な走行を判断しなければならない。ドライバーが普段行っている運転操作を車両システムが正確に再現できることが求められる。 現在、多くの車両には運転支援システムとしてレベル1~2の半自動運転機能が搭載されているが、そのなかでも標識認識機能には課題が残っている。実際、SNSなどで報告されているように、車両に搭載されたカメラが路上の標識を認識する際、看板などと誤認してしまうことがある。 例えば、ラーメン屋の看板を 「進入禁止標識」 と誤認したり、店舗の看板に表示された数字を速度標識と誤認したりするケースがある。人間のドライバーなら見間違わない状況でも、現行の自動運転システムでは誤認してしまうことがある。 技術の進展や実証実験を通じてシステムの精度は向上するだろうが、レベル4やレベル5の完全自動運転を実現するためには、こうした誤認を防ぐことが不可欠だ。 現在、日本国内では自動運転技術の実証実験が進んでおり、限定的なルートでの走行であれば危険要素を事前に排除できるため、比較的安全に実施されている。 しかし、将来的には物流拠点間でのレベル4やレベル5自動運転を目指しており、そのためには一般道路での走行が不可欠だ。したがって、安全に自動運転を実現するためのシステム開発が今後ますます重要となる。
いのうえみつみ(乗り物ライター)