「業務の進め方、対応が話題になっております」司法書士はじめ各業界で話題…『地面師たち』人気の理由は?
大根監督「リアリティとファンタジーのバランス」を意識
ドラマでは地面師たちが「リー ダー」ハリソンを筆頭に「交渉役」の拓海(綾野さん)、「情報屋」の竹下(北村さん)、「手配師」の麗子(小池さん)、「法律屋」の後藤(ピエールさん)、偽装書類を作成する「ニンベン師」の長井(染谷さん)がチームを組み用意周到に計画を実行していくが、彼らが詐欺で使う偽造書類や免許証やパスポートなどは実際に「完璧に偽造しました」(大根監督インタビューより)という。 そんなふうに美術や小道具、ロケ地にかなりこだわりリアリティを追求する一方で、大根監督が「今回は嘘をつくところは徹底して嘘をつきましたね。特に地面師チームの描写とか。そういうリアリティとファンタジーのバランスにいちばん気を使ったんじゃないかと思います」とも。リアルとファンタジーの絶妙なバランスがエンタメ作品としての完成度を高めている要因の一つと言える。
「大手の映画会社やテレビ局は難色」Netflixだからこそ生まれた作品
そして、最後にどうしても触れておかなければならないのが同作品がNetflix配信という点だ。同作品は大根監督が自らNetflixに持ち込んで実現した企画で、大根監督が知り合いのプロデューサーたちに軽く話を持ちかけたところ、大手の映画会社やテレビ局は作品の内容的に難色を示したという。 「全世界配信ということも含めて、“自分が観たい日本発のNetflixドラマ”ということはすごく意識しました。しかもこの題材って地面師詐欺っていう特性とか、サラリーマン社会とかも含めてめちゃくちゃ日本独特というか、ドメスティックですよね。『サンクチュアリ -聖域-』も『忍びの家 House of Ninjas』もそうですけど、せっかく世界のいろんな国で配信されるなら、日本で作るNetflix作品は、海外のヒット作をトレースしたようなものではなく、日本独特のドメスティックなものを描くべきというのもずっと思っていて 」(公式インタビューより) 綾野さんも「作品ファーストであり、それぞれの個性や魅力を尊重し、なによりクリエイターに対するリスペクトがあります」と公式インタビューで答えている通り、Netflixだからこそ生まれた作品であるというのも、見逃せないポイントだ。 THE GOLD 60編集部