【記者がみた法廷】妻子を殺害の男 背景にあったのは不倫相手への恋愛感情「身勝手極まりない」 求刑は“無期懲役”裁判員の判断は≪新潟≫
妻子をロープで殺害後、不倫相手に送ったメッセージ「大好き大好き」
2021年10月、渡辺被告と元不倫相手の女性は、紅葉を見に行ったという。その後、2人は将来に向けた話をした。 【元不倫相手の女性】 「今後もし正式に関係を進められることになったら、結婚のタイミングや2人で住む場所、子どもについて話した」 その数日後、渡辺被告はホームセンターでロープを購入した。 そして、11月7日。 妻に離婚を切り出したが、強い口調で拒否されたという渡辺被告。クローゼットにしまってあったロープを持ち出し、後ろから妻の首を絞めたという。 【渡辺被告】 「背負い投げのような形で2~3分絞めた」 「(まだ妻の)手も震えているように見えた。また2分前後、首を絞めた」 さらに、娘を殺害した理由については。 【渡辺被告】 「妻を殺すところを見ていたし、娘の顔が妻に見えてしまった。娘の存在が怖く思いました」 その後、渡辺被告は自殺にみせかけようと妻の遺体を階段に移動させ、ロープを手すりに結んだ上、妻のスマホから偽装した遺書を自分宛てに送信していたという。 この日の公判では、渡辺被告が妻子を殺害した後に不倫相手に送っていたメッセージの内容も明らかにされた。 “大好き大好き”
逮捕後も続いた不倫関係「生涯、何があっても味方です」
渡辺被告が逮捕された後も、2人の恋愛感情は続いていたという。不倫相手の女性は面会に訪れ、手紙のやりとりもしていた。 【渡辺被告から女性への手紙】 「A(不倫相手の女性の名前)への思いは変わらない、ずっと」 「生涯、何があってもAの味方です」 「1分1秒でも早くAの元に帰ります。一生の誓いを立てます」 女性は面会に行った際、こんな言葉を被告にかけていたという。 【元不倫相手の女性】 「”待っている、出所した後に今後も一緒にいたい”と言った」
「身勝手極まりない」求刑は“無期懲役” 被告「数々の後悔と過ちを一生見つめる」
11月12日。論告求刑公判。 【検察側】 「不倫相手との関係を続けるにあたり、障害となる妻と娘を排除するための身勝手極まりない動機で犯行態様も重大で悪質。高い計画性と強固な殺意があった」 検察側は“無期懲役”を求刑した。一方、弁護側は。 【弁護側】 「遺族へ償いを支払うなど少しずつ反省を深めている」 殺人未遂罪や殺人予備罪は成立しないと主張し、有期刑を求めた。 最終陳述で証言台に立った渡辺被告。声を詰まらせながら、謝罪の言葉を述べた。 【渡辺被告】 「この先もずっと妻と娘に対して謝り続けたいと思います。妻と娘が私に向けてくれた家族としての思いに私は応えられなかった、自分のしたことと一生向き合い、妻と娘にしてあげられなかったこと、数々の後悔と過ちを一生振り返り、見つめながら、お詫びし続けたいと思います。本当に申し訳ありませんでした」 不倫相手との関係を続けるため、妻と1歳の娘を殺害するという残忍な事件。裁判員はどんな判断を下すのか。判決は11月22日に言い渡される。 (取材:TeNYテレビ新潟 長谷川拓海)