細かい数字には理由があった?瓶ビールのふたの“ギザギザ”にまつわるトリビア
「王冠」という名称でもおなじみの瓶ビールのふた。1892年にアメリカ人のウィリアム・ペインターによって発明され、ひっくり返すと王冠の形に似ていることから「Crown(王冠)」と呼ばれるようになりました。 【画像】細かい数字には理由があった?瓶ビールのふたの“ギザギザ”にまつわるトリビア 今回はそんな王冠にまつわる数字について紹介したいと思います。
王冠のギザギザの数には重要な意味が隠されていた?
王冠の周囲にはギザギザがついていますが、実はこのギザギザの数はほとんどのメーカーが「21個」で製作しています。なぜキリよく20個にしていないのか、それにはちゃんとした理由があるようです。 物を固定するには、力学的に「2点、4点で支えるよりも3点で支えるほうが安定する」と言われています。そこで王冠を作る際に3の倍数で試したところ、「21点」で支えるのがいちばんふたが外れにくく、かつ栓抜きで開けやすいという検証結果に。 1957年から1994年までは、「JIS規格(日本工業規格)」でも王冠のギザギザの数は「21個」と定められていました。その名残もあり、現在でも王冠のギザギザの数はほとんどの瓶が「21個」。ちなみにアメリカやドイツなどの国でも、同じようにギザギザが「21個」の王冠が使われています。 ビール瓶の数字といえば、大瓶の容量が「633ml」なのも特徴的ですよね。これは1940年に酒税法が制定された際に、それまでビールに課せられていた「ビール税(ビールの生産量に応じて課税される税金)」と「物品税(物品の出荷される数量に応じて課税される税金)」が一本化されたことが関係しています。 制定された新しいビール税(ビールの出荷される数量に応じて課税される税金)により、各メーカーが使っていた瓶の容量を統一する必要が生じることに。そこで当時の各ビールメーカーで使われていた瓶の容量を調べたところ、いちばん小さな瓶が「3.51合(633.168ml)」だったことから“633ml”に統一されました。 一見中途半端な数字に見えるものも、定められた数字には理由や計算、人々の努力が込められているのですね。ふだん何気なく目にしている数字も、調べてみたら意外な理由が見つかるかもしれませんよ。 ■執筆/マツヤマ剛 ありとあらゆる面白情報を収集する雑食ライター。営業職で「トークのタネ」として雑学を集めていたことをきっかけにトリビアに目覚め、一念発起して編集プロダクションに転職。その後独立し、今に至る。特に、生活に関連するような知識には目がなく、日々情報収集に励んでいる。 編集/サンキュ!編集部 ※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
サンキュ!編集部