“団地の水は安心だと聞いていた...” 岩倉団地水源から国の基準に近い数値のPFAS検出...岩倉市が独自対策へ「県水で濃度低減を目指す」
当時の心境について、「私自身はこんなに高いと思ってなかった。60ナノグラムありますと言われても、ピンとこなかった。説明を聞いて、『え、なにこれ高いじゃん』と思って」と振り返る加藤さん。今のところ、PFASが悪影響を及ぼすとされる腎臓などに、異変はないといいます。
現在の対策について、「(他の住民は)天然水買ってくるって言うけど、私もそれは考えるけど限度がある」と話し、活性炭で除去できると聞いたことから、浄水器を設置。「(水を)沸かせば、なんとかなるものでもない。全部生活を変えないと」と加藤さんは話します。
“安全な水”の確保「県水で濃度低減を目指す」
なぜ、岩倉団地水源から「PFAS」が検出されたのでしょうか。原因の調査には膨大な費用と時間がかかるため、自治体は頭を抱えています。 『岩倉市役所』上下水道課・田中伸行課長曰く、「原因がわかれば取り除いてしまえばいいけど、いろんなものに使われてたので、どこにどういう具合に堆積してるかわからない」というPFAS。続けて、「岩倉市では50(暫定目標値)以下なので、(国は)何もしてくれないのが現実」と現状を明かします。
地下水を使用しているこの地域。『京都大学』原田浩二准教授は、原因を突き止めるのは難しいといいます。その理由について、原田准教授は「地下水がどこから流れてきているのか、まず調べる上で必要ですが、なかなか難しい、はっきり分からない」と話し、早急にするべき対策として、「住民にとっては毎日使う水なので、(PFASの)濃度をしっかり下げていくということが重要」と述べました。
まずは、“安全な水”の確保。岩倉市は対策に乗り出しました。来年4月から、岩倉市では県営水道の水を半分混ぜ、「PFAS」の濃度を下げた水を供給予定。『岩倉市役所』田中課長は、「県水(県営水道の水)を入れて、県水はPFASが検出されてないから、そこで濃度低減をはかる」と話します。
また県水の購入費は、令和9年度までは水道料金に上乗せしないとし、「(国の)暫定基準が変わって厳しくなったときに、100%県水に切り替えることも可能になるので、先を見越しても比較的安価で、この先も使える対策になると思う」と話しました。