賛否の声がある中で“強行”広島平和訪問のバッハ会長に海外メディアも注目「力ずくの五輪正当化に非難の声」
「市民団体は新型コロナウイルスの感染者の増加により東京が非常事態にあるときに、バッハ会長がかなりの距離を移動するべきではないと主張している」と、感染防止対策の面からも反対が起こっていることを伝え、「バッハ会長は、今回の訪問の目的は、東京2020大会に向けた国連の休戦協定が発効する日を迎えるためだと主張しているが、緊急事態宣言が出ている地域からの訪問が適切かどうかという質問には答えていない」と批判。 「東京では昨日(14日)新型コロナの新規感染者数が1149人となり、1月中旬以来、1日あたりの感染者数が最も多くなった」と東京の感染状況の悪化を付け加えている。 またバッハ会長の来日そのものに対して日本国内でデモなどの抗議の動きが生まれていることも紹介。 「先週、バッハ会長が来日した際には、ツイッターで『バッハは帰れ(Bach Go Home)』というハッシュタグが付けられ、(バッハ会長が宿泊している)都内の5つ星ホテルの前では、大会に反対する少数のデモ隊が『バッハ出て行け(get out Bach)』などと書かれた看板を掲げていた。別の看板には『広島へ行くな(Don't go to Hiroshima)』と書かれていた」 豪州のメディア「ジ・オーストラリアン」では、豪州サッカー代表のグラハム・アーノルド監督の日本での感染予防対策を評価するコメントと日本で起きている抗議活動を対比させたニュースを掲載した。J1仙台での監督経験があるアーノルド監督が率いる豪州代表は、2日から福島のJヴィレッジで事前合宿をスタート、9日からは、2次キャンプ地の千葉県市原市で合宿を張っている。 「日本の暑さに慣れる」ことが目的で、同メディアによると、アーノルド監督は、「世界はどこも厳しい状況にあるが、日本政府、IOC、オーストラリアオリンピック委員会、そして日本オリンピック委員会は、世界が本当に厳しい18か月間を過ごしてきた中で、このオリンピックを成功させるために素晴らしい仕事をしてくれている」と、開催へ向けての感染対策を評価しているという。 しかし、一方で、「バッハ氏は先週木曜日に東京に到着したが、地元では声高な抗議活動が行われており、広島の市民団体からは『原爆の犠牲者の名誉を傷つけることになる』として金曜日の広島訪問を中止するよう求められている」と、五輪開催反対とバッハ会長の広島訪問に対する抗議活動が起きている状況を伝え、アーノルド監督の見解と、開催国の日本の人たちの受け止め方には大きな隔たりがあることを示唆した。 賛否の声がある中、広島訪問を強行するバッハ会長の動きに全世界が注目している。