【2024年問題】業界の今…バス運転手の一日に密着 拘束時間は約13時間、休憩は約5時間 “市民の足”路線バスの便数維持には30人ほど足りず
特集はバスの運転手です。時間外労働の新たな規制で運転手不足が生じるいわゆる「2024年問題」。影響はバス業界にも及び、長野県内でも「減便」などが続いています。バス運転手の一日に密着し、大きな課題に直面している業界の今を取材しました。 【画像】入社8年目のバス運転手(30)の一日に密着
■入社8年目のバス運転手の一日
長野市のアルピコ交通長野営業所。 アルピコ交通 バス運転手・豊田千裕さん: 「おはようございます」 朝6時40分、出勤してきたのは、入社8年目の豊田千裕さん(30)です。
運行管理者: 「本日は雨ですので周囲の状況に注意して運行をお願いします」 点呼を終えるとバスへ。
アルピコ交通 バス運転手・豊田千裕さん: 「まず車両の点検から始めて、その後は灯火類のチェック、車内に遺失物がないかをチェックする」 バスに異常がないか確認することから1日の仕事が始まります。
営業所から始発地へ。回送運転もチェックの時間。 アルピコ交通 バス運転手・豊田千裕さん: 「クラッチのつながりとかブレーキのかかり具合とか、バスによってクセが違うので、まずは車両のクセの把握から始めます。エンジン音が後ろのほうからドコドコと聞こえてくるわけですが、自分の好きな音のバスに乗れた日には一日、ルンルンで仕事、明日も乗りたいなとか」
アルピコ交通 バス運転手・豊田千裕さん: 「発車します。ご注意ください」 この日、まず担当したのは、「松岡」と「宇木」の間を長野赤十字病院などを経由して走る「日赤線」。 朝は通勤・通学の客で混み合います。
■「運転手は魅力的な仕事」
豊田さんは千曲市出身。幼いころから乗り物が好きで、大人になってからは運転も好きになり、運行管理の仕事を経て運転手になりました。 豊田千裕さん: 「『運転マニア』といいますか。いかにして車をなめらかに運転することができるかというところで試行錯誤して。お客さまにいい乗り心地を提供できるかというところに人生かけてるかもしれない。『運転がうまいね』とか『いい接客でしたよ』と言われることもありますし、その声を直接聞けるという面で運転手はすごく魅力的な仕事だと思います」