水産加工会社直営レストラン「かに工房」でカニ食べ放題
海の幸の王様とも言えるカニの旨い季節が到来した。関西にはカニ専門店がいくつかあるが、「食べ放題」をうたっている店は、おそらくここくらいだろう。その名も「かに工房」だ。運営するのは、カニ専門の水産加工会社「河村水産」(本社=兵庫県西宮市)。大阪や神戸に直営レストランを展開し、仕入れから国内工場での生産、配送まで自社で一括一元管理を行っている。
そんな直営店舗の1軒、「かに工房岸和田店」(大阪府岸和田市中井町)を訪ねた。店内は広々ゆったり。ざっと約100席。中央にカニ以外のメニューがずらり、入って左には各種のカニがどかっと並ぶ。食べ放題だけに、各テーブルの足元には、殻入れのバケツが置かれている。 名物の「かにディナーバイキング」は食べ放題で3682円(税別)。かにすき、かに刺身、焼きがに、蒸しずわいがにの他、各種新鮮魚介、焼肉、寿司、サラダ、デザートなど60品目以上がすべて好きなだけ食べられる。時間は90分。この値段で、これだけの充実度は極めて珍しい。甘みのある刺身も新鮮で旨いし、存分に胃袋を満たしてくれる。
おいしさと安さの秘訣は、こうだ。 「カニは養殖ができない商品です。仕入れから発送まで自社で一括管理する事で徹底的なコストダウンが可能となっています。常に高品質で安心・安全なカニを手頃な価格でお客様にお届けできるのは、業務委託など一切せず、すべての商品を自社管理しているから。カニの買い付けの時には必ず、当社の社員が漁場で立ち会い、検品をしています。カニは天然の生き物なので、船や漁期・漁場などの条件により、鮮度・身入り・大きさ・味などにバラつきが出てきます。そのため、毎回仕入れ時には、厳しい検品をしてから買い付けをしています」(河村徹教社長) それでも、「ちょっとでも、普段のカニと違うと、大阪のお客さんは文句を言うんです。厳しいですよ」と、河村社長も苦笑い。食欲の秋らしくたらふく食べて、最後に雑炊でシメるのもよし。宴会にもうってつけだ。高級なカニを「もう当分はいらんわ」というくらいまで思い切り味わってはいかがだろう。 問い合わせは「かに工房岸和田店」(072・441・0253)まで。 (文責/フリーライター・北代靖典)