音楽クリエイターに向けたヤマハの新しいブランド発信拠点が渋谷・桜ヶ丘に誕生。アーティストとの共創を加速する
ヤマハは、再開発の進む渋谷・桜ヶ丘エリアに新たなブランド発信拠点「Yamaha Sound Crossing Shibuya」を設立。11月15日(金)の正式オープンに先駆けて、メディア向けの内覧会が開催された。 【画像】「Yamaha Sound Crossing Shibuya」のSAKURAサイド3Fのラボ入口 新しい拠点は、SAKURAサイド3Fの「ラボ」、SAKURAタワー8Fの「ラウンジ」の2箇所から成る。3Fのラボは一般ユーザーも自由にヤマハの楽器や音響機器を楽しめるスペースとして開放。8Fのラウンジは一般には非公開となり、ミュージシャンやクリエイターによる制作の現場として、本格的なスタジオなどを備えるクリエイティブの場となっている。 コーポレート・マーケティング部の吉川剛志さんによると、Yamaha Sound Crossing Shibuyaは、 “偶発的なイノベーションを起こす” ことをコンセプトとしており、ブランド発信はもとより、研究開発、プロダクトマーケティング、アーティストリレーションの強化とさまざまな使い方を想定しているという。 ヤマハは、他に銀座、横浜みなとみらいにも拠点を持っているが、銀座は「高い専門性と両立したブランド体験ができる旗艦店」、横浜みなとみらいは「初心者や未経験者など、新規顧客をターゲットとして、音楽の楽しみに出会える場所」と位置付けている。 それらに対して新しく誕生する渋谷はさらに “尖った” コンセプトを持っており、アーティストやクリエイターとそのフォロワー層をメインターゲットとし、研究開発チームと連携した最新技術の体験や紹介の場として推進していくという。若者の街・渋谷に拠点を置くことで、最新トレンドを取り込み、若年層向けのブランド発信を強化していくことも狙いとしてあるという。 3Fラボのメインスペースは、ギターやシンセサイザー、ドラムなど、ヤマハの最新の楽器をその場で触って体験できるExperienceエリア。配信用のミキサー、スピーカー、ヘッドホンなども常設されている。専任スタッフによる専門性の高い接客で、これから音楽活動を始めたい初心者や、よりスキルアップしたいクリエイターの制作を柔軟にサポートする。 また、先日LUNA SEAがアンバサダーに就任したことでも話題となった「ライブの真空パック」Real Sound Viewingが体験できるほか、セミナーやミニコンサートなどに活用できるステージ、こだわりのドリンクなどを用意したカフェも併設されている。音楽好き、クリエイティブに関わりたい人にとってワクワクする空間が実現されている。 8Fはヤマハと関わりのあるアーティストやクリエイターが利用できる共創スペース。5つのスタジオと応接室、ラウンジが用意されており、録音からミックス、マスタリングまで一貫して行える環境になっている。スタジオは全て防音仕様で、音響システムはすべてDanteで接続されており、ネットワークを活用したシンプルな録音システムが構築されている。 ラウンジには、坂本龍一さんが所有していたピアノ「Opera Piano」が置かれているほか、ヤマハの歴史的なシンセサイザーやギターなども展示されており、クリエイターの想像力を刺激するさまざまな工夫が凝らされている。 今後はこのスペースを活用し、ヤマハの新製品や、新技術のアイデアなどをアーティストに体験してもらうことなども考えている。またアーティストの創造性やアイデアの後押し、新規アーティストの発掘、新しい音楽トレンドの創出などにも力を入れていきたいと考えているという。 スタジオでは、音楽ユニット「コアラモード.」の録音セッションならびにミックス、マスタリングのデモンストレーションも行われた。スピーカーにはもちろんヤマハのモニタースピーカーを設置。渋谷の街を見下ろしながら、ギター、ヴォーカル、ドラム、キーボードの音がミックスされて、爽やかなポップソングが目の前で完成するさまはなかなかに感動的。 楽器と音響機器、音楽レーベルまでも自社で展開するヤマハならではの、新しい音楽体験の提案にはますます期待が高まる。
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈