食品パッケージの裏に潜む危険…3600種類の化学物質が体内に残留? 米研究で明らかに
忙しいとき、「容器包装された食品」はとても便利なもの。購入する機会も多くなりがちだが、そうした食品には多くの場合、「食品包装材」と呼ばれる素材に含まれた化学物質が混入していることがわかっている。 【写真】調査で判明!健康で長生きしている人が食べているものは? そして、「食品接触化学物質(FCCs)」として知られるそれらの物質について行われた新たな研究によると、ヒトの体内に残るFCCsは、およそ3600種類にのぼるという。 私たちとって、それが良いことではないのは明らか。ただ、それはどの程度まで、警戒すべき問題なのだろうか──?
研究で明らかになったことは?
食品包装材に含まれる化学物質として知られる「FCCs」は、1万8000種類以上にのぼっている。『Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiology』(暴露科学・環境疫学ジャーナル)に新たに発表された研究結果が示すのは、そのうち体内に取り込まれていることを示す証拠が見つかった物質が、3600種類を超えているということ。 研究チームはまず、(化学物質がどのくらい体内に残留しているか調べる)バイオモニタリング調査の結果が蓄積された5種類のデータベース、そして健康や栄養状態に関する情報を集めた3種類のデータベースと、1万4000種類以上のFCCsを照合。 その後、食品包装材に使用されることが多いFCCsががヒトの体内に取り込まれていることを示す証拠について、分析調査を実施した。その結果、約25%が血液や尿、母乳、組織サンプルなどに蓄積されているとみられることを確認したという。 それらの物質には、バイオモニタリングで特定された194種類のFCCsが含まれ、そのうち80種類は、有害性が高いと懸念されている物質だった。 ▼残留しているのは? 最も多くの素材に含まれていたのは、「ビスフェノールA(BPA、プラスチックを硬化するために使用される)」、「ペルフルオロアルキルとポリフルオロアルキル(PFAS:有機フッ素化合物、自然界ではほとんど分解されない)」、「フタレート(フタル酸エステル、樹脂の硬度の調整のために使用される)」だった。