体育館にエアコンを! 名古屋の公立小学校は設置“ゼロ” 体育の授業が何度も中止に 窓全開×扇風機でも汗だくの児童たち 予算総額156億円でも… 迫られる対応
体育館で体育の授業を受ける児童たち。汗だくで、かなり暑そう。熱中症が心配になりますが、実は名古屋の公立小学校で、体育館にエアコンがついているところは1校もないのです。あまりに暑い日本の夏。学校は対応を迫られています。
体育館のエアコン“ゼロ” 室温30℃超えで体育の授業を受ける児童たち
名古屋市名東区にある引山小学校。1年生の体育の授業が始まる前に、先生が1人で体育館へ向かい、何かを確認しています。先生が見ていたのは「暑さ指数」を示す機械。
「暑さ指数」とは、気温に加え、湿度や日射などの熱環境を考慮した指標。熱中症の危険性を判断するのに用いられ、31以上になると運動は原則中止となります。 この日の「暑さ指数」は26。予定通り、体育の授業を実施できることになりました。体育館で授業を行うのは、かなり久しぶりだといいます。
さっそく準備運動を始める1年生。初めて受ける体力テストの練習をするため、ボールを投げたり走ったり動き回りますが、体育館の中はじっとしていても汗がにじんでくる蒸し暑さ。児童たちはあっという間に汗だくに。窓をすべて開け、扇風機を使っても、室温は30℃を超えています。
現在、体育館にエアコンが設置されている名古屋市の小学校は、なんとゼロ。暑い体育館では体育の授業や部活動ができず、学校は対応を迫られています。 この夏、体育の授業が5~6回中止になったという1年生のクラスの担任は「50メートル走の構えとか、教室でできることは教えてあげて、涼しくなってきたら体育でもう1回おさらいしたり。なかなか難しい」と話します。
引山小学校 中條真由美校長: 「学校だけではなくて、地域のみなさんにも貸し出ししていますので、そのときも(エアコンがあると)熱中症にかかる危険性が少なくなる。いろいろな意味で早く空調をつけていただきたい」
体育館に設置するエアコンは、かなり大きなタイプが8台(室外機2台)必要となるため、1校あたりの予算は6000万円! 名古屋市内には260の小学校があるので、総額は156億円となりますが、体育館は地域の活動や避難所としても使われるので他人事ではありません。 すでに議会でも承認されていて、名古屋市は今年度から工事を開始し、2028年度までの5年間で全校に設置するとしています。