「緑内障」の原因・なりやすい年齢層はご存じですか? 早期発見のポイントや治療法も医師が解説!
緑内障のレーザー治療
編集部: 緑内障にはレーザー治療もあると聞きました。 安田先生: はい。点眼薬で改善がみられなかった場合、手術前にできるレーザー治療(SLT)があります。房水の主な経路である「線維柱帯」という部分にレーザーを照射することにより房水の流れをスムーズにし、房水流出量を増加させて眼圧を下げることを目的におこないます。一度の照射で目薬1本分の眼圧下降効果があると言われています。 編集部: レーザー治療のメリットを教えてください。 安田先生: まず、手術と比べて目への侵襲が少ないという点が挙げられます。また、線維柱帯の有色細胞のみに選択的に照射するレーザーを使用するため、周りの組織への影響が少なく、安全性が高いのも特徴です。さらに、治療時間は5~10分と短く、日帰りで受けられますし、反復照射も可能なので何度も治療を受けることができます。 編集部: では、注意点はありますか? 安田先生: 効果に個人差があり、「約30%は眼圧が下がらない」と言われています。また、効果があっても、手術と比べると眼圧下降の度合いは少し下がります。レーザーで目の中に一過性の炎症が起きるので、眩しさや飛蚊症が出ることもありますが、一過性のものなので時間の経過とともに改善します。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 安田先生: 緑内障は日本人の後天的な失明原因の第1位で、早期発見がなにより重要な疾患です。なりやすいリスク要因として「40歳以上」「家族歴のある人」「近視の強い人」などがあるので、当てはまっていて、まだ検査を受けていない人は早めに検査を受けましょう。また、緑内障は年齢や症状、進行具合などで、目標とする眼圧値や治療方法が異なる疾患です。一人ひとりに合った治療目標を立て、治療していくのが大事です。点眼薬だけでなくレーザーなど、治療の選択肢が増えているので、未治療の人はもちろん、現在点眼薬で治療中の人もレーザー治療に興味があれば、お近くでレーザー治療に対応している眼科に相談してみることをおすすめします。