ある時期、親や友人と「疎遠」になることも必要――小泉孝太郎が考える人間関係で大切なこと
「五月病」という言葉があるほど、5月は疲れを感じることが多い季節。中でも、新たな環境での人付き合いに悩んだり、増える一方の人間関係に疲れを感じる人も少なくないだろう。俳優の小泉孝太郎さんは、人付き合いを大切にしているという一方、「大きく踏み出すときには、親しい人と“疎遠”になることも必要」と語る。心地よい人間関係を保つために“自分はこれだけでいい”という感覚を大事にしているという小泉さんに、これまでどのように人と付き合ってきたのか、話を聞いた。(Yahoo!ニュース Voice)
「人と会うこと」が一番エネルギーを使う。ただ、補給もしてくれる
――就職や進学を経て、この春に人間関係がガラッと変わった人も少なくありません。小泉さんは、これまでに人付き合いが大きく変わった経験はありますか? 小泉孝太郎: 社会に出てからは、人付き合いの考え方を変えなければやっていけなかったです。10代の頃は友人たちとの横のつながりだけでワイワイ盛り上がって、それだけで楽しかった。でも社会に出たら、今度はそこに上下関係という縦のラインがはっきりと出てくるわけですよね。年齢に関係なく敬語を使わなければいけない状況がありますし、年下の方が上司だという場合もあると思います。その中で、今までのように丸々24時間を友人との時間に割いていたら社会ではやっていけないと思いました。 だから、たとえつらくても関係を断ち切らなければいけないときはハッキリとありましたね。友人が嫌だから離れるわけではなくて、役者として頑張って自分の人生を確立するために、今まで通りみんなでワイワイ楽しく過ごしているわけにはいかない。そうやって親や友人と「疎遠」になるというのは、人生で大きな一歩を踏み出す時期には、とても大事なことだと思うんです。みんなも頑張ってね、僕も頑張らなきゃいけないからっていう。ただ、一度疎遠になったとしても、一生のお別れではなくて離れない人は離れません。不思議な縁で、僕にも中高時代からずっと付き合いのある友人がいます。 ――SNSで「人間関係リセット症候群」という言葉が話題になりました。人間関係を変化させること、断ち切ってしまうことについて、小泉さんはどのように考えますか。 小泉孝太郎: 考え方も環境も、歳を追うごとに変わっていくものなので、「この人と疎遠になっちゃったな」「あの人いなくなっちゃったな」とネガティブに捉える必要はないと思うんです。人生の中で、人付き合いに変化があっても「20代はこの人たちと一緒に時間を過ごしたな」「30代は新しい出会いがあったな」と、そのときどきの自分を受け入れてあげるべきですよね。 10代には10代の、40代には40代の悩みがあるわけで、人間関係の悩みというのは、おそらくずっと続くのだと思います。僕自身、人と会うことが一番エネルギーを使います。ただ、エネルギーは使うんだけど、使ったエネルギーを一番補給してくれるのも、人なんですよね。へとへとに疲れ果てたときには仲良しのムロツヨシさんとお酒を飲んだりして癒されています(笑)。