ヤクルトにFA移籍の茂木栄五郎 「坂口智隆のように復活」期待が
ヤクルト移籍で再飛躍
FA移籍ではないが、坂口智隆と茂木の野球人生は重なる部分がある。坂口はオリックスで11年に最多安打のタイトルを獲得し、中堅の守備でもゴールデン・グラブ賞を4度受賞と主力選手として活躍していたが、故障や若返りのチーム方針もありスタメンから外れる機会が増えるようになり、15年は36試合出場で打率.262、1本塁打、5打点、1盗塁。同年オフに自由契約を申し入れて退団した。 ヤクルトで外野の定位置を確約された立場ではなかったが、16年から3年連続150安打以上をマーク。18年は青木宣親がメジャーから復帰したため、野球人生初の一塁に挑戦した。不慣れな守備位置だったが試合前に特守を繰り返すなどひたむきに努力し、打率.317、3本塁打、37打点、9盗塁の好成績をマーク。出塁率.406は自己最高の数字だった。 22年に現役引退するまでヤクルトで7年間プレー。近鉄、オリックスを含めた3球団で20年間のプロ野球人生を駆け抜け、通算1526安打を積み上げた。坂口は週刊ベースボールのインタビューでこう振り返っている。 「僕自身はプロ野球の世界で、ベテラン、若手で括られるのが嫌だったので、抗ってやろうというのをモチベーションにしていました。例えば二軍にいて、若い選手の前で、ベテランっぽいプレー、わかりやすい例で言えば走らなくても大目に見られるというのは嫌で、見られていると意識することで動ける部分がありました。あとは、『これくらいやっていれば、あのくらいの数字を残せるんや』と思われたくない、そこにはしっかり差を見せたいというのもあって、そういう意味では、まだまだ進歩しないといけないと思えたのは、若い選手たちのおかげでもあったと思います」 茂木も坂口と同様に30代前半で新天地に移籍した。新しい仲間から得られる刺激は多いだろう。どんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみだ。 写真=BBM
週刊ベースボール