U-19日本代表、アクシデントを物ともせず流通経済大に快勝
7月24日、来年のU-20ワールドカップを目指すU-19日本代表がトレーニングマッチを千葉県内で行った。22日からスタートした今回の活動は、9月にキルギスで開催されるAFC U-19アジアカップ予選前最後の合宿となる。U-20ワールドカップの一次予選を兼ねており、今活動は選手を見極める貴重な場。流通経済大とのゲームに臨んだ23名の選手たちだが、宿舎から試合会場に移動する際に乗っていたバスが事故渋滞に巻き込まれ、到着が遅延するアクシデントが発生。キックオフ時間が1時間半遅れたため、30分×2本に変更となった。 【フォトギャラリー】U-19日本代表 vs 流通経済大学 そうした状況下で行なわれた一戦は1本目と2本目でフィールドプレーヤーを総入れ替えする形となり、船越優蔵監督が率いるU-19日本代表はGKに小林将天(FC東京)、最終ラインは右から稲垣篤志(明治大)、塩川桜道(流通経済大)、林奏太朗(早稲田大)、北島郁哉(鳥栖)を起用。中盤はボランチに保田堅心(大分)、小倉幸成(法政大)を並べ、右サイドに安齋悠人(京都)、左サイドに平賀大空(京都)、最前線は神田奏真(川崎F)と廣井蘭人(筑波大)の組み合わせとなった。立ち上がりから最終ラインからボールを動かしつつ、サイドを主体に攻撃を展開。守備では何度か相手に攻め込まれたが、塩川を軸に凌いで相手に得点を許さない。すると、18分にチャンスを得る。ゴール前にボールを運ぶと、安齋が左足で流し込んでリードを奪った。勢いに乗った日本はGKのピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾(名古屋)を投入した直後の27分にも廣井のゴールで加点し、2-0で1本目を終えた。 迎えた後半はGKにピサノ、最終ラインは右から本間ジャスティン(神戸)、喜多壱也(京都)、中光叶多(中央大)、池田春汰(筑波大)、ボランチに桒原陸人(明治大)、山本丈偉(東京V)、右サイドに原康介(札幌)、左サイドに西原源樹(清水)を起用。前線は舩橋京汰(愛媛)、下り目の位置に佐藤龍之介(FC東京)が入る布陣となった。ガラリとメンバーを変えた後半は一進一退の展開に。それでも日本は17分に舩橋がPKを獲得。これを佐藤が決めて、さらにリードを広げた。GKが中村圭佑(東京V)に変わった直後の25分に1点を返されたが、28分に佐藤が高い位置でボールを奪うと、自らフィニッシュに持ち込んで再び3点差とした。1分後に1点を返されたものの、このままリードを守り切って日本が勝利を収めた。 試合後、船越監督は「良い強化ができた」と振り返りつつ、アクシデントに対応できたことに高い評価をした。不測の事態で試合開始が遅れたものの、空いた時間をうまく活用。先に到着していた船越監督を始めとするスタッフと、バスで移動中の選手たちをオンラインで繋いで試合前のミーティングを実施した。さらに元々は25分ゲーム+20分のセットプレーゲームを2本を行う予定だったが、キックオフ時間がずれ込んだ影響で30分ゲームを2本に変更。それでも選手たちは動じずにゲームに入り、佐藤も「全然気にせずに試合に入れた」と振り返る。9月のU-20アジアカップ予選でも同様の出来事が起こる可能性はあり、そういう意味で良いデモンストレーションになったのは間違いない。 大会まで残された期間は約2ヶ月。ここからチームとしてどのような成長を遂げていくのか注目だ。 (文・写真=松尾祐希)