プレミアリーグで今見逃せないクラブは? 水沼貴史がオススメのチームのよさを徹底解説
【チェルシーの変化に感じる、リーグの質の高さ】 チェルシーも、注目されているクラブのひとつ。今見ていて非常に面白いチームだ。ここ何年かは監督がすぐに変わってなかなかうまくいかなかったけれど、今季からエンツォ・マレスカ監督になって一番変わったと思うのは守備。FWノニ・マドゥエケが必死に戻って守備をしている姿を見て驚いた。 それから今季絶好調のDFマルク・ククレジャも、相手から絶対に離れないというくらいタイトにいく。また、中盤のモイセス・カイセドやエンソ・フェルナンデスが、強力なフィルターとなって、そこで奪えれば縦に速く、そして今絶好調のMFコール・パーマーが違いを生み出してくれる。今季のチェルシーからは、守備の献身性、タイトさ、強度の高さを非常に感じる。ボールを奪われて攻め残りをする選手の居場所はもうない。 ボールを奪われたらとにかくプレスバックをサボらず、チームとしてのコンパクトさを絶対に失わないようにするのは、リバプールやアーセナルも同様で、今のプレミアリーグはそれを標準として備えていることが、上に行くためには必要だなと感じる。それだけリーグ全体の攻撃の質が上がり、守備をサボってはいけないことを意味している。 それから近年のチェルシーは、巨額の投資をし続けて、スカッドの分厚さはプレミアでも随一。2チーム分の戦力があって、チーム内競争の厳しさはすごいものがある。それが今のチームの成長にものすごく影響があると感じる。 とくに今季加入したジェイドン・サンチョとペドロ・ネト、このふたりのウイングの加入は大きな戦力アップだった。トップはニコラス・ジャクソンが好調だけど、クリストファー・エンクンクもいる。 そうした選手たちを多く抱えるなかで、マレスカ監督は非常によくマネジメントができているのだと思う。競争力があるということは試合に出られない選手も出てくるわけで、そこのモチベーションやコンディションの管理ができないとチームはうまく回らない。そこを巧みにターンオーバーして、チームを成長させている手腕は見事だと思う。リバプールにどれだけ食らいついていけるか楽しみだ。