「何も変わらない。でも声あげ続ける」 県民大会、強姦被害女性も参加
県民大会は19日午後2時からの開催だったが、炎天下の中、開始数時間も前から続々と参加者らが会場入りした。
「生まれてからずっと」
沖縄県八重瀬町から参加した無職男性(68)は、正午前にすでに最前列に近い場所に座っていた。取材の趣旨を伝えると、「私も戦後生まれだが、生まれてからずっとこういう事件ばかり見ている。この怒りをどこに持っていけばいいのか」と重い口調。「結局こうやっても何も変わらないじゃないかという気もする。でもやらなきゃいけない。声を上げ続けていくことがいつかは国を動かすことになるんじゃないかなって言う一筋の希望だね」 自身も中学生と小学生の孫娘がいると言い、「遺族だけの問題じゃない。自分の娘、孫がこうなったらどう思うかってことですよ」と話した。
「綱紀粛正」は意味なさない
南風原町から家族らと訪れた徳森セツ子さん(65)は「命と人権守ろう 米軍出ていけ」と書かれたプラカードを身体の前に掲げていた。「戦後71年、このような事件事故が怒るたびに『綱紀粛正』、『再発防止』(が叫ばれてきた)。沖縄県民にとってはこういうのは意味をなさない」と繰り返される米軍関係者による事件や再発防止の甘さを非難。 「米軍には出ていってもらいたい。それが根本的な解決策。県民はみんなそう思っていますね」と話す。
「私も米軍レイプ被害者」
県民大会には、2002年に米軍人に強姦された経験を持ち、米軍人による犯罪の根絶を訴える活動を続けるオーストラリア出身のキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんも参加した。取材に対し「(強姦は)人殺しと同じレベルです。絶対に人や家族の人生を破壊する」と語った。「被害者だと恥ずかしいとか全然ありません。恥ずべきは米軍の加害者です」とも。 大会中は「私も米軍レイプ被害者」「日米地位協定を変えて下さい!!」と書かれたプラカードを持ち、登壇者らが話すステージを真っ直ぐ見つめ続けた。「米軍だけが日本の法律に従わなくていいのは不合理」と訴えた。 オーストラリア出身のフィッシャーさんは弁護士だった父の転勤に伴い約30年前に日本に移住。日本人男性と結婚し、3人の子どもに恵まれたが、離婚してシングルマザーに。2002年に神奈川県横須賀市で、面識のない米海軍兵の男に強姦され、その後心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんだ。 しばらくはサングラスをかけ、ミドルネームの「ジェーン」を名乗って米軍の犯罪根絶などを訴えていたが、事件から10年が経った2012年以降はサングラスを外し、本名で活動している。 県民大会・翁長知事の挨拶 県民大会ノーカット動画