【2025年のクルマ世界に思うこと】マルチパスウェイで本当に自分の好きなクルマを探したい
BEVもひとつの重要な選択肢
なにかと物騒がしい世の中だが、中でも自動車世界の2024年は特に混沌としていたと思う。そしてこの状態はもうしばらく続くのだろう。それはおもに自動車メーカー同士の話であったり、国や地域、政治や資源といったことにも繋がるのだが……。 【写真】期待のBEV、『ルノー5ターボ』と『5ターボ3E』 (36枚) そんな壮大なテーマはさておいて、本稿ではクルマ好きが2025年に踏まえておくべき事柄について考えてみることにした。テーマとしては、1:バッテリーEV(BEV)は今後どうなる? 2:期待したいニューモデル、3:愛車選びで大切なこと、という3つを思いついた。 これまでは盛んに『20××年までに~』といった電動化目標が叫ばれていたが、その勢いは2024年の春頃から急速に衰えはじめている。以前からそういった大胆なスローガンの片隅には小さく『もし世の中がそのようになっていたら』という但し書きが付いていたのだが、今の状態が『そうならなかったから』ということなのだろう。高い目標を掲げても、そこに経済がついて来なければどうにもならない。 2025年の前半はその動きがさらに加速するはずだ。ではBEVは消えてしまうのかと言えば、そうではないだろう。走行中にCO2を出さず、静かに走り、電力を有効活用できるメリットは無視できない。BEVはすでに一定のファンを獲得しており、将来のモビリティの選択肢のひとつになっていくはず。ハイブリッド車やカーボンニュートラル(CN)燃料等の進化も含め『マルチパスウェイ』というかたちがより鮮明になっていくに違いない。
1万回転とBEVで復活の1台に注目
ここにきて混沌としてきた電動化だが、その影響はスーパースポーツ界にも浸透しており、『これが最後?』といった不安を煽りつつ、それでも印象的なV12エンジン車がリリースされている。しかも面白いことに、電動化を味方にすることで1000ps超えを実現しているクルマも登場しているほどだ。 2025年以降も、ハイブリッドによるパワー追及の流れは途絶えないだろう。達成できない目標は撤廃、もしくは修正という流れが出来つつあるからである。そしてヨーロッパの国々は、自分たちの自動車産業を守るためCN燃料の開発を加速させることになる。 そんな転換期ともとれる2025年に上陸する注目の1台が、昨年末、国立競技場で華々しく本邦デビューを飾ったランボルギーニ・テメラリオだ。V8エンジン+3モーターによるAWDというスペックは『初モノ』ではないが、それでも1万回転というレブリミットにそそられないファンはいないはずだ。 一方ベーシックカーではBEVとなって復活するルノー5(サンク)に注目したい。初代やシュペールを知っている世代も、ネオヒス好きな20~30代も揃って反応できるアイコニックな1台。さらに歴史を忠実にたどるように、ターボ(R5ターボ3E)が2モーターの後輪駆動と噂されるスペックで開発が進んでいるというのも泣かせる。偉大なアーカイブを持ったブランドの強みがどのようにマーケットに受け入れられるのか、大いに注目したい。