【2025年のクルマ世界に思うこと】マルチパスウェイで本当に自分の好きなクルマを探したい
視野を広げ理想の1台を探すと吉
恐らく混乱が続く2025年にあって、じゃあ自分はどんなクルマを手に入れればいいのか? 欲しいクルマがない! もしくは高過ぎる! と嘆く人がいるかもしれない。そんなクルマ好きに対しては「心配する必要はありませんよ」と声をかけてあげたい。そしてこの機会に、さらに視野を広げてみてはいかが? ということもオススメしたい。 理想の1台を新車から選ばなくてはならないルールはないし、走行距離が10万キロを越えたら魅力がなくなってしまうわけでもない。趣味車に本当にエアコンが必要だろうか?「キャブ車はアシにならない」という声も聞いたことがあるが、そんな思い込みがみすみす選択肢を狭めることに繋がっているように筆者には思えてしまうのだ。 少し古めのクルマはその評価があらかた確定しており、そのせいで人気モデルの価格が高騰したりする。だがそんな世の中の評価はとりあえず無視して、本当に自分の好きなクルマを『マルチパスウェイ=複数の小道』に入り込んで探してみるということも、今という情報過多の時代に大切なことだと思っている。 例えば筆者は、昨年12月15日にAUTOCARにアップされた2代目ロータス・エリートの記事に心打たれた。タイトルで『悪評ばかり聞こえた』と書かれており、実際にそんな印象を持っていたのだが、読み進めると『袖を通したような絶妙な一体感』、『半世紀前の技術的な偉業』という誉め言葉にドキッとさせられたのだ。 混沌とした自動車世界の行方はもちろん重要だが、自分と愛車の関係にすぐに影響を及ぼすものでもないのである。2025年もAUTOCARを熟読しつつ、高くなってしまったハイオクを入れても「惜しくない!」と思える1台を探す作業を怠ってはならない。
吉田拓生(執筆)