窪田正孝の参戦が熱すぎる…玉森裕太”祥平”の成長に心震えたワケ。スペシャルドラマ『グランメゾン東京』 考察レビュー
頑張っている人たちに勇気を与えるストーリー
今から5年前、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスにより大打撃を受けた飲食業界。外出自粛や営業時間の短縮要請による経営難で閉店に追い込まれた店も少なくない。 それですら自己責任の一言で片付けられ、生き残るために営業を続ければ、心ない言葉を浴びせられる八方塞がりの状況で、どれだけ多くの関係者が傷付いたことだろう。 今回のスペシャルドラマはそんな苦しい時期を耐え抜いた飲食業関係者を讃えると同時に、未だ完全に元通りになったとは言えない状況下で頑張っている人たちに勇気を与えるストーリーとなっていた。「苦しいコロナ禍を戦い抜いたすべての飲食業関係者の皆様にエールを込めて」という冒頭のテロップだけで胸に熱いものが込み上げてくる。 チーム全員で多くの困難を乗り越え、オープンからわずか1年でミシュラン3つ星を獲得したグランメゾン東京。だが、その直後に新型コロナが蔓延し、店の経営を担っている京野は生き残り戦略で、大手企業傘下のフードコンサルティング企業・NEXマネジメントと資本提携を結ぶことを決める。
追い詰められる「グランメゾン東京」
アジア人女性初の3つ星レストランのシェフとなった倫子はNEXマネジメントの敏腕社長・明石壮介(北村一輝)にビジネス勝機を見出され、出資してもらう代わりに冷凍食品の監修やタレント業務を強いられることに。店の方はNEXマネジメントに言われるがまま見栄えだけの料理を提供し続け、ついにはすべての星を失ってしまった。 リンダ(冨永愛)の酷評で予約のキャンセルも相次ぎ、倫子はどんどん追い込まれる中、連絡が途絶えていた尾花と意外な再会を果たす。パリに行ったはずの尾花はいつの間にか帰国し、かつて自身がオーナーシェフを務めていたエスコフィユの同僚・湯浅利久(窪田正孝)と京都で1日1組限定のフレンチレストラン・メイユール京都を開店させていたのだ。 そんな尾花から「グランメゾン東京を終わらせるために戻ってきた」と宣戦布告され、星を取り戻そうと躍起になる倫子。だが、シェフの仕事に集中する暇もない上にNEXマネジメントの干渉により料理も自由に作れない。なぜそんな不利な契約を…と思うが、それだけ生き残るために必死だったということだろう。 相沢も尾花と同意見で、「潔く終わりにした方がいい」と京野に告げる。また倫子のマネジメント担当としてNEXマネジメントに出向中の栞奈も、グランメゾン東京の代わりにメイユール京都と契約を結ぶことを明石に進言。結果、グランメゾン東京は出資を打ち切られることになった。