過剰な勝利宣言で3年間のスタジアム入場禁止処分…コロンビア名門指揮官への厳罰が波紋
コロンビアのアトレティコ・ナシオナル監督が“過剰な”勝利宣言が原因で、3年間の国内スタジアムへの入場を禁止された。コロンビア『si』が報じている。 【動画】先月の試合で情熱的なセレブレーションを見せていたフアレス監督 コロンビア屈指の名門を率いるエフライン・フアレス監督(36)は、現役時代にバルセロナのカンテラやセルティック、クラブ・アメリカ、モンテレイなどでプレーした元メキシコ代表MF。 現役引退後はニューヨーク・シティFCやスタンダール・リエージュ、クラブ・ブルージュでのアシスタントコーチを経て、今年8月からナシオナルで監督初挑戦。 直近に行われたコパ・コロンビア準決勝ではインデペンディエンテ・メデジンとのホーム&アウェイの2試合を合計2-1のスコアで勝利し、敵地でファイナル進出を決めた。 その際、情熱的な指揮官はメデジンのサポーターが陣取るスタンドに向けて“過剰な”セレブレーションを見せたという。これに激高したホームサポーターがスタンドでナシオナルサポーターと小競り合いを起こしたほか、同監督を殴る目的で数名がピッチに乱入したようだ。 そして、フアレス監督の物議を醸した行動は思わぬ大事に発展し、コロンビア警察は「アタナシオ・ヒラルド・スタジアムで相手チームのサポーターに怒りを込めて話しかけ、暴力を煽るジェスチャーを行った」とされる同監督に対して、コロンビア国内のスタジアムへの3年間の入場禁止および、6000ドル(約92万円)の罰金を科したという。 当然のことながらナシオナルは想定外の処分を受け、「我々は彼のプロ意識、価値観、そして彼が役割を担う際の敬意を知っています。情熱的だが決して攻撃的ではない彼の祝福は、チームへの献身と、我々の組織にとってのそれぞれの成果の重要性を示しています」と、指揮官を擁護すると共に処分の撤回を訴えている。 同クラブでプレーするFWアルフレド・モレロス、GKダビド・オスピナのコロンビア代表2選手も指揮官を擁護。 モレロスは「得点したら祝うが、相手チームに影響するべきではない。では、なぜゴールを許すのか? 祝って欲しくないなら、失点しなければいい。それが真実だ。僕は監督を100%支持するし、僕らはとても大きな家族だ」とコメント。 オスピナも「彼は素晴らしい人物だ。彼が持つ価値観はわかっている」と指揮官が攻撃的な意図を持って行動したわけではないと、今回の行動が曲解されたものだと主張している。 さらに、メデジンのフェデリコ・グティエレス市長も声明を通じて、警察の決定を「馬鹿げている」と評した。 「馬鹿げている。ナシオナルの監督を3年間スタジアム入場禁止とする処分を下した当局者の決定にはまず同意できない。この誤った決定を下した検査官は、監督を市から追い出すだけでよかった」 「これは逆効果で不釣り合いな措置だと思う。上訴後も手続きは続く。フットボールに関わるすべての人に節度と常識をはっきりと求める」 一連のリアクションを見る限り、今回の処分が撤回あるいは大幅に厳刑される可能性は高そうだ。
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