「いつまでも親と仲良くできる人」が話すときに意識している1つのこと
「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。 ● 親が年甲斐もないことをする 「もう若くないんだから、危険なことはやめてよ」。子どもから見て親が「年甲斐もないことをしている」と感じるときのひと言です。親がレジャー好きの場合に多いようです。このとき「危険なことはやめてよ」とストレートにお願いをしても、受け入れられるとは限りません。 たとえば、あなたの趣味が「スキーをすること」である場合、それを禁止されたら、「人生の生きがい」を奪われたと感じるのではないでしょうか。親も同じです。 とはいえ、親の健康や身体を守りたいと思う気持ちはすばらしいことですから、伝え方を工夫していきましょう。歳をとった親を本当の意味で守れるのは子どもだけです。 もちろん、介護やリハビリのプロができることもたくさんありますが、自分の子どもからのサポートほど喜ばれるものはありません。
● 注意する側から「仲間」になろう ですから、こんなときは、自分の失敗談を先に伝えながら妥協案を探りましょう。 たとえば、「この前、スキーをしたら、足を痛めちゃって大変だったんだ」のようにあなたが自分の相談として「もう若くない」ことを伝えてみましょう。すると親は、「子どもの老い」を感じ、同時に自分自身の老いも自覚します。 そのタイミングで「お父さんは最近どう?」と聞いてみてください。いつもは「まだまだ元気だ」と答える親も、あなたのエピソードを聞いたあとだと、「そういえば、ヒザが少し痛みやすくなった」と、素直に教えてくれるでしょう。 そうなったら、あなたのペースです。すかさず「レジャーに行くときは誰かと一緒に行く」「すぐに連絡を取れるようにしておく」などの妥協案を提案しましょう。親の生きがいを奪わず、ケガや遭難のリスクを減らせます。 ここでのポイントは、注意する側と注意される側という関係性から、「同じ悩みを抱える仲間」になることです。お互いにレジャー好きで、ケガには気をつけたいという立場になれば、きっと会話の方向性は変わってくると思います。 今回の例はあくまで一例ですので、皆さんの伝えやすい言葉を見つけていただけますと幸いです。
萩原礼紀