政界注視の国民民主〝番頭〟榛葉幹事長「玉木代表あって月は光る」 趣味はヤギとプロレス
先の衆院選で自民、公明両党の議席が過半数を割り込んだ結果、議席を4倍に増やした国民民主党は首相指名選挙に向けて自民、立憲民主両党から秋波を送られる状況となっている。他党との交渉役を担い、玉木雄一郎代表の〝玉除け〟となるのが榛葉賀津也(しんば・かづや)幹事長だ。「党利党略」から距離を置く姿勢をアピールし、改革中道を志向する。ウイットに富んだ話術の持ち主で知られ、記者会見のインターネット動画の視聴数は10万回を超える場合も珍しくない。趣味はやぎの世話とプロレス鑑賞と、こちらも個性的だ。 【写真】「玉川さん、取材しないでしゃべるな」国民・玉木氏、連立入りの思惑巡りコメンテーターに苦言 ■「非難合戦や揚げ足取りではない」 「自民党の『政治とカネ』が腐りきっているのは分かっている。でも、与党と野党が『お前の母ちゃん、でべそ』といっても、子供の腹はいっぱいにならないんだよ。非難合戦や揚げ足取りではなくて、家計を大事にした経済政策をやろうじゃないか。そういってくれたのが私の信じる玉木雄一郎なんだ」 衆院が解散された今月9日夜。榛葉氏はJR新橋駅前で開催した党の街頭演説会で国民民主のスタンスについて、こう熱弁した。 榛葉氏は平成13年の参院選に民主党で初当選し、民主党政権では外務副大臣、防衛副大臣を務めた。政治家を志した契機は、留学先のイスラエルで若者が兵役に就き、パレスチナの友人が民衆蜂起で、それぞれ命を落としていく様を目の当たりにしたことだという。 初代タイガーマスクの佐山聡氏率いるプロレス団体「リアルジャパンプロレス」のコミッショナーを務めるなど、プロレスマニアの一面を持つ。28年11月に自民党の萩生田光一官房副長官(当時)が野党の国会対応について「田舎のプロレス」と発言した際は、「格調高き奥深いプロレスをバカにして許さない。萩生田君を絶対に許さない」などと記者団にコメントしたほど、プロレス愛は強い。 ■共産主義否定も共産党に敬意忘れず 癒しの時間が静岡県菊川市の自宅で飼っているヤギの世話だといい、餌用の雑草を刈って回り、ヤギのハウスも作るなど愛情を注ぐ。 30年5月に所属していた民進党が玉木氏率いる希望の党と合流し結成した旧国民民主党に加わった。玉木氏と近しくなったのはこの頃だという。令和2年9月には旧国民民主と旧立憲民主党の合流に加わらず、以降は現在の国民民主党で幹事長を務めている。