政界注視の国民民主〝番頭〟榛葉幹事長「玉木代表あって月は光る」 趣味はヤギとプロレス
外交・安全保障、エネルギー政策を専門とする。共産党に対しては「この国は共産主義を中心とした国家になるべきではない」とし、国家観の違いを理由に共産との選挙協力を否定する。一方で、共産所属議員に対しては「人格者や立派な人がたくさんいる。一緒に参院外交防衛委員会をやっている山添拓政策委員長は『知の巨匠』だ。理路整然、人柄も素晴らしい」(6月20日の記者会見)などと敬意を忘れない。
■「仲間を裏切る政治家は国民を裏切る」
一方、国民民主党に所属した前原誠司代表代行(当時)が昨年11月、新党結成を目的に離党を表明すると、「前原さんは(離党を)しないと明言していた」などと不快感をにじませた。「仲間を裏切る政治家は国民も裏切る」「政党交付金が目当てだ。筋が通らない」などと厳しく批判する。
落語好きのためか「オチ」も忘れない。今回の衆院選でX(旧ツイッター)に「国民民主党に騙されるな」というハッシュタグが突然拡散された際は、配信動画で「何をだまされていると思っているのか。表でわれわれに質問してほしい」と憤慨してみせた上で、「玉木が全部答えますから」とユーモアたっぷりに笑いを誘った。
6月9日の記者会見では、玉木氏よりも記者会見の動画の視聴回数が多いと指摘される場面があった。榛葉氏は「何かの誤り。玉木あっての榛葉。太陽の玉木がいるから、月の私が光る。地味な私が太陽の光でほんのり、明かりをともすことができるということだ」と玉木氏を立てた上で、こう語った。
「『いいね』の数に一喜一憂すれば政治はできない。ぶれずに対決より解決だ。会見をやっていなくても、国民民主党は個性と専門性を持った素晴らしい仲間がたくさんいる。これを少しでも大きくしたい。それが玉木と私の願いだ」
榛葉氏会見に欠かさず出席するベテランのフリーカメラマンの堀田喬氏は、榛葉氏について「いい人であり悪い人。狸であり狐だ。腹の探り合いのできる良い意味での古い政治家の一人だ」と語っている。(奥原慎平)