JFEエンジが東京港の伝送路敷設工事完了。鋼管活用の独自工法で短期施工
JFEエンジニアリング(社長・福田一美氏)は、通信工事の日本コムシスから受注していた東京港横断伝送路工事を完了したと発表した。工事では、通信用光ファイバーケーブルを通す管路を海底下に敷設。管路の推進距離が国内最長の約2キロに及ぶ高難度案件だったが、パイプラインを用いる独自工法を駆使することで約2カ月の短期で完工した。 施工エリアは、東京都の芝浦・品川地区と豊洲・有明地区を結ぶ区間。防波堤など護岸構造物の下部をくぐり抜けるように海底下の大深度に円弧状の専用管路を敷設した。 工事ではパイプライン弧状推進工法「JFE―RAPID(ラピッド)工法」を採用。先端にドリルヘッドを装着したパイロット管で地上から斜めに推進し、掘り進んだ穴の中に鋼管を引き込んだ。従来工法で必要だった立て坑の構築が不要な特徴を生かし、工期や工事費を低減した。 人工知能(AI)やIoTの普及で通信量が増える中、通信インフラの整備需要は急拡大が見込まれる。JFEエンジは鋼管を用いた独自の施工技術を生かすことで伸びる需要の取り込みを狙う。