住友電工、中国蘇州に新工場建設。車載機器用電線を増産
住友電工は中国蘇州に車載機器用ケーブルの新工場を建設した。ハイブリッド車や電気自動車をはじめとした中国の自動車需要は長期的に拡大すると予測。その対応に向けて子会社の住友電工(蘇州)電子線製品有限公司で電子ワイヤー第3工場を建設した。新工場には電子線照射機などの製造設備を設置。新工場の稼働・量産は2025年1月を予定している。建屋・照射設備を含めた投資金額は数十億円規模。 新工場を建設した住友電工(蘇州)電子線製品は電子機器や情報通信、自動車に用いる電線を手掛けるグループ企業。新たに建設した電子ワイヤー第3工場は地上1階建で延べ床面積が約7千平方メートルとなっている。すでに建屋の建設は完了。大型設備である電子線照射機などを配備する。照射機は電子線と呼ばれる光線を電線・ケーブルの絶縁や外被に照射し、耐熱性や耐摩耗性などの特性を強化するための装置。 増産するのは車載の電動パーキングブレーキング動力用ケーブルと、アンチロックブレーキングシステムの車速センサー用ケーブル。新工場は25年1月に稼働・量産を予定しており、28年のフル稼働を目指している。フル稼働時には年間6千キロメートル分のキャパアップとなり、住友電工(蘇州)電子線製品全体の製造能力が約1割増える見通しとなっている。 新工場は少人数での運営が可能なスマート工場とする計画。無人搬送車や自動化設備、IoT技術などを活用する考えだ。