「衰退の時代」をどう生き抜く? AIやロボット活用を避けて通れない、これだけの根拠
少子高齢化、人口減少はもう聞き飽きたほどのワードとなっています。では、10年後、20年後、30年後にはどれくらい人口が減るのか。そして、さまざまな課題に対してどのような対策が予想されるかを、今回は見ていきたいと思います。 【画像】知らないとヤバい! 日本のエリア別賃金格差や30年後の人口推移を示した分かりやすいグラフ(計4枚)
これから30年で、人口はどう推移する?
次のグラフを見てください。これから30年後の2054年まで、どれくらい人口が減っていくか示しています。 まず、総人口は今後30年間で3000万人弱減少し、1億人を割り込みます。割合でいうと、23%の減少です。小売業やサービス業としては、自社の努力とは関係なく、自然減でこれだけの客数が減っていく可能性があるということです。1年ごとで見るとマイナス0.9%ですが、じわりじわりと各企業の経営に影響を及ぼしていくことは明らかです。 中でも消費と労働の中心でもある15~64歳の人口減少が激しいです。具体的には、2376万人(33%)減少する見込みです。20歳以上を労働力としても、30%前後の労働力が今より不足します。人手不足や人材の取り合いは、これから当分収まることがないことが分かります。 この対策として、既にさまざまな企業が取り組みを始めています。例えば小売業では、イオンが転職した人の出戻りを歓迎すると発表しました。今までは出産や育児などで退職した人のリターンを歓迎するというアプローチでしたが、新たに競合他社へ転職した人などのリターンも奨励するようになりました。 イオンの取り組みからは、小売業で働きたいという、限られた人材ボリュームを確保する上で、競合に転職した人にネガティブな印象を持っている場合ではないという採用スタンスがうかがえます。労働力が確保できないと、接客品質の低下や、業務付加や残業の増大による労務問題で、さらなる退職を引き起こすなど、数々の問題が起こってしまいます。 イオンだけでなく、今後人手不足を解消できなければ、デジタルなど他の手法によって補うしかなくなります。「うちはまだデジタルは様子見だ」などとのんきに構えることはできず、もはやAIやロボットの活用は待ったなしです。人とデジタルの融合は最重要課題として真剣に取り組まなくては、未来で取り返しのつかない事態を及ぼす可能性があります。 こうした事態を受け、生成AIではすでに、多種多様な用途に対応したサービスが出てきています。ロゴやコンテンツ作成にアイデア出し、議事録や翻訳、画像変換、動画制作、データ分析、文章生成など、さまざまな現場で活用が進んできました。 例えば、ミーティングが終わった瞬間に議事録を自動生成し、出席者へメールで送る業務フローも今や珍しいものではありません。若手社員が何時間もかけて議事録を書くことも一つの「経験」ですが、その数時間がAIによって、もはや数秒で完了してしまう時代なのです。