年収500万円の55歳ですが、貯蓄が「300万円」しかないので年金の繰上げ受給を検討中です。60歳から受け取ると、65歳のときよりいくら減りますか?
老後の生活費はいくら?
総務省統計局の「家計調査 家計収支編 単身世帯(2023年)」によると、60歳以上で単身世帯の1ヶ月の平均消費支出は15万2743円でした。もし平均消費支出が1年間続いたとすると、年間183万2916円が必要です。 なお、実際の支出には保険料や税金などの非消費支出も含まれるため、さらに増える可能性があります。 貯蓄が300万円だと60歳からは2年に満たない程度しか持ちません。しかし、55歳で働いているときであれば、貯金はできます。もし先ほどの例と同じ年収500万円、月収が約41万円であれば、毎月5万円ずつ貯金に回すと60歳までの間で300万円貯金が可能です。 無理のない範囲ではありますが、貯金をすることで繰上げ受給をしなくても生活できる可能性はあります。受給時期をできるだけ遅くするためには、今からでも貯金を始めたほうがよいでしょう。
繰上げ受給で60歳から受け取ると年金額は24%減額する
繰上げ受給は、65歳よりも前に60歳から年金を受け取れる代わりに支給額が早めた期間に応じて減少していく制度です。もし60歳まで繰り上げると、24%減額した年金額を受け取ることになります。 短期的な目で見ると早く収入を得られますが、長期的な目で見ると65歳で受け取ったほうが総受給額は多くなる可能性があります。繰上げ受給はあとから変更できないため、選択する前によく考えて決めることが大切です。 出典 日本年金機構 年金の繰上げ受給 e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2023年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号2 男女,年齢階級別 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー 監修:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部