【要注意】『至急開封願います』の封筒を見て、子どものSOSに気付け
知らぬ間に犯罪に加担させられてしまう「闇バイト」が問題になっている。子どもの身を守るために、親として何ができるのだろうか。 本記事では、池上彰総監修の『いのちをまもる図鑑』(ダイヤモンド社)で第4章「犯罪からいのちを守る」の監修を務めた危機管理の専門家・国崎信江氏に話を聞いた。 (取材・構成/杉本透子) ● 家に届く「子ども宛の封書」を気に掛ける ――『いのちをまもる図鑑』には「闇バイトの見分け方」についての解説が書かれています。子どもが闇バイトに応募してしまわないよう、親が気をつけられることはありますか? 国崎信江氏(以下、国崎):子どもがバイトをするのは少なくとも高校生以上、大学生がメインですよね。子どもが今どんなバイトをしているのか、親は感心をもつことが大事です。そして闇バイトに手を染めてしまうのは「今すぐ振り込まないと大変なことになる」と切迫した人です。「貧困」「ゲームの課金請求」「コンサートのチケット代」「携帯電話代」「ネットで買い物しすぎた」などですぐにお金が必要な状態に陥ったとき、人は罠にはまりやすくなり、「即日払い」「高収入」といったネット検索で闇バイトにアクセスしまうのです。 だとすると前兆があって、例えば督促状の封筒が来ている、といったことがあるはずです。携帯電話会社やクレジットカード会社から「至急開封願います」と注意書きのある封書がきていたり、あとは年金など公的なものも、警告レベルによってだんだん封筒の色が変わってきます。頻繁に親にお金を借りようとするなど、何かしら前兆があるはずなんです。 あとは金遣いが荒くなっていないかどうか。ネットショップでどんどん買い物をしているうちに思った以上にお金を使ってしまい、支払いが間に合わない…。追い込まれて「割のいいバイトをしよう」とするケースが考えられます。 ――前兆を掴むというのが大事なのですね。 国崎:そうですね。あとは普段の会話の中でも話題に上げるといいです。「闇バイトってこういう手口らしいよ」とか。もし子どもが「自分は引っかからない」と言ったら、「どうしてそう思うの?」と掘り下げたりして会話を広げてみましょう。 ※本稿は、『いのちをまもる図鑑』についての書き下ろしインタビュー記事です。 『いのちをまもる図鑑』第4章監修者 国崎信江(くにざき・のぶえ) 危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表 女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。国や自治体の防災関連の委員を歴任。『10才からの防犯・防災』(永岡書店)や『おまもりえほん』(日本図書センター)などの監修もつとめる。
国崎信江/杉本透子