海外のデザイン好きが、日本でしたい10のこと
「細尾」で厳選された着物地を見る
京都はおみやげを買うにはうってつけの場所でもある。錦市場は混雑しているが、食べ物のギフトやキッチン用品、包丁(「有次」がとくにおすすめ)を買うには最適だ。 また、京都の老舗呉服店「細尾」は、現在では高級ホームテキスタイルの分野にも進出している。12代目当主の細尾政孝は2022年、建築家である弟の細尾直久を起用し、京都の旗艦店となる豪華な新店舗を設計した。3階には7,000着のコレクションを誇るプライベート着物サロンがあり、「ホテル ザ ミツイキョウト」では、「細尾」でのプライベート着物体験を提供している。 一方、「アマン」の熱烈なファンは、この京都のホテルに泊まるためだけに巡礼する。2019年後半にオープンしたホテル「アマン京都」は、金閣寺にほど近い閑静な町の一角にある隠れた庭園の中にあり、オープンの1年前に亡くなった建築家ケリー・ヒルの積年の夢だった。約2万4000平米の庭園は、帯の収集家であった前オーナーが数十年にわたって手入れをしてきたもので、スギやカエデの木が並ぶ森の小道、花崗岩で縁取られた芝生、隠れた洞窟、水のトンネルなどが造られている。
大阪への日帰り旅行
「大阪でやるべきことはショッピングと食べ歩きの2つだ」と地元の人が教えてくれた。日本で2番目に大きな都市である大阪は、観光旅行の日程においては見落とされがちだが、この2つの目的から、旅行の目玉にもなりうるのだ。大阪は京都から新幹線でわずか20分の距離。 16世紀後半に建てられた「大阪城」とその周辺の公園、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、2022年にオープンしたモダンアートとデザインの複合施設である「中之島美術館」など、観光の名所もあるが、この街は素晴らしいグルメとおしゃれなファッションセンスで楽しむのが一番だ。 ブランド初の日本施設であるホテル「W大阪」は、その拠点としてふさわしい。同郷の建築界のスター、安藤忠雄が設計した建物は黒いタワーで、その優雅さは楽しくカラフルなインテリアと好対照をなしている。折り紙や切り紙をイメージした光のトンネルを抜けると、東京の日建設計によるカラフルなラウンジ席やDJブースがあるロビーがある。レストランでは、寿司バー、エッグベネディクト、大阪名物のたこ焼きを特別な型で焼くフードステーションなど、ブロックごとに朝食ビュッフェが用意されている。 また、このホテルは大阪の高級ショッピング街のど真ん中にあり、近くには「ルイ・ヴィトン」や「シャネル」などの店舗が並ぶ。一方で、目を見張るような道頓堀の運河沿いにも徒歩圏内で、派手なネオンや巨大なファストフードの看板などが目を引く。
original text : INGRID ABRAMOVITCH ※この記事は、海外のサイト『ELLE DECOR』で掲載されたものの翻訳版です。