物価高で伸びる「消費税」、「所得税」「法人税」も大幅増に…2025年度予算案・税収は過去最大を更新
政府が27日に決定した2025年度予算案では、税収を78兆4400億円と見積もり、24年度補正後(73兆4350億円)を上回って6年連続で過去最大を更新する。24年限りで実施した所得税などの定額減税分が戻ったほか、物価高や堅調な企業業績などを反映し、所得税、法人税、消費税の基幹3税がいずれも大幅に伸びるとみている。
消費税は、24年度補正後の税収と比べ5650億円(2・3%)増の24兆9080億円と、税収全体の3分の1を占めた。消費税はモノやサービスの価格に上乗せされるため、最近の物価高で税収が伸びた。
所得税は3兆1780億円(15・8%)増の23兆2870億円。賃上げや雇用拡大が影響した。
法人税も、企業の業績が好調に推移していることや、円安による輸出の伸びから、1兆1910億円(6・6%)増の19兆2450億円を見込む。基幹3税で税収全体の86%を占める。
今後の税収について内閣府が7月に公表した試算では、中長期的な実質国内総生産(GDP)成長率が0%台半ばで推移するケースでも、30年度に80兆円を超え、その後も堅調に伸びていく見通しだ。
税収は、物価上昇の影響を受けて上振れする傾向がある。最近の物価上昇ペースが今後も続けば、税収も内閣府の試算を上回る伸びを示す可能性がある。
「103万円の壁」引き上げ、税収6750億円減
政府は27日、2025年度の税制改正大綱を決定した。「年収103万円の壁」の引き上げによる所得税の非課税枠拡大により、25年度は6750億円の税収減を見込む。
25年度改正では、会社員など給与所得者の非課税枠について、所得税で全ての人に原則一律で適用される基礎控除(48万円)と、給与から差し引く給与所得控除の最低額(55万円)を、25年分からそれぞれ10万円ずつ引き上げ、現状の計103万円を123万円とする。26年度以降は国と地方で計6580億円の税収減となる見通しだ。
政府は税制改正関連法案を来年の通常国会に提出する予定だが、非課税枠の178万円への引き上げを求める国民民主党とは合意できておらず、内容が修正される可能性もある。