「更年期障害にはアレをするしかない」義父のセクハラにおののく長男嫁。男衆に囲まれて行われた「夜のレクチャー」
女性の更年期障害については、最近になってようやく認知が進んできた感がある。しかし、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、更年期障害についてはまだまだ理解が必要だと語る。 この記事の他の画像を見る 「現役世代では、職場でのハラスメント研修などをきっかけに女性の心身の不調について学ぶ機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。しかし、現役を退いた世代の中には、更年期障害がどのようなものなのか全く知らないという人も少なくないでしょう。 男性の更年期障害についても、有名人が経験談を語り始めたことなどで、少しずつ認知されてきていますが、こちらもまだまだ。男女がお互いにいたわり合えるようになるためには、まず『知る』ところから始めたいものです」 ・・・・・・・・・・ 今回は、昨年の年末帰省で、70代の義父の「更年期障害」へのあまりの無知ぶりと、その無知から来る「からかい」や、飲みの席での「セクハラ」がトラウマとなっているという女性から話を聞いた。 「私は去年、46歳になったばかりの頃、それが更年期の症状だと気づかないまま不調に悩まされていました」 こう話すのは現在47歳の仲尾次優子さん(仮名)。2人の小中学生を育てるパート従業員だ。 「最初に出たのは皮膚症状だったんです。湿疹みたいなポツポツでとても痒かったのですが、秋口だったので、乾燥によるものだと思っていました」 痒みの症状は徐々に深刻化していったが、それが更年期の症状の一種だということはその時点では気づかなかったという。さらに優子さんを苦しめたのが「動悸」だった。 「循環器科の先生が『心臓には特に疾患は見当たらない』と言うのでひとまず安心しましたが、動悸に対して処方してもらった漢方薬が笑っちゃうほど効かなくって」 その後、職場の同僚から婦人科の受診を勧められたという優子さん。 「するとそこで初めて『更年期障害じゃないかな』と言われました」 血液検査で女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」の減少が確認され、皮膚症状も含めて更年期障害による不調だとの診断を受けた。 「ホルモン療法を始めたのですが、私には向かなかったようで動悸はあまり改善しなくて」 改善どころか、ほてり症状にも悩まされ始めていた頃、年末の帰省が重なった。コロナ禍以外は毎年続けてきた帰省だったが、去年は心身の不調からなかなか乗り気になれなかったという。 「子供たちも親戚と遊ぶのを楽しみにしてますし、夫も『実家のごちそうでも食べてのんびりしようぜ』と言い、往復の運転も自分がするから気分転換に行こうと言うので…」 女きょうだいに囲まれて育った夫は、実家に戻ると従兄にかわいがってもらえ、童心に返れることを楽しみにしている様子だ。 「仕方なく夫の実家に年末30日から帰省しました。毎年本当に豪勢な食事を用意してくれますし、温泉地が近いのでそれも正直楽しみで…例年はそうだったんですが…」 いつもはゆったりした気持ちで臨めていた帰省だったが、去年はそうはいかなかった。 「うちから車で3時間ほど北上するのですが、義実家へ着くと『こんなに寒かったか』というほど寒くて。しかも症状が出始めていた火照りが急にひどくなって、首から下は極寒、首から上は灼熱地獄みたいになってしまって」 到着して親戚一同に挨拶をして座ったものの、体温調整がうまく行かず頭痛もひどくなってきた優子さんは、続きの間の隅で横になっていたという。 「すると、すでに酔っていたお義父さんが『優子ちゃん、疲れてるのはみんな一緒!こっちにきておっちゃん達と飲むぞー』とご陽気に声をかけてきました。明るくて面白い人なんですが、無神経なところがある義父でして…」 少し体調が悪いと答えると、「どうしたんだ」という話になり仕方がなく「更年期障害らしいんです」と答えた優子さん。 「きょとんとしているので、女性ホルモンの減少が原因の症状であることを簡単に説明したんです」 すると、こともあろうか義父はこんなことを口走った。 「『フェロモンが足りんのはイカん!だがそんなものは、殿方のお相手をしてお色気ムンムンになれば解決だ』と大声で言って高笑いしたんですよ。お義父さんの下ネタ、初めて聞いてドン引きしました」 少し豪快な話し方をするが、元教員の義父は人並以上の教養を備えた「人格者」だと思い、これまで信頼しきっていたという優子さんは、突然剥がれた義父の化けの皮に戸惑いを隠せなかった。それに引き換え、周囲の男性たちは嬉しそうに大笑いするばかりで、1人として優子さんの不調を気にかける様子はなかった。 しかし、義父と「親戚のおじちゃん」たちの女性の体に対する無知ぶりと遠慮のない「セクハラ」はこの程度では済まなかったという。体調の悪い優子さんが身の危険さえ感じた、義実家における高年層男性の「蛮行」については後編にて詳報する。 ※この記事は取材に基づいていますが、取材対象者保護の観点から必要に応じて編集を加えておりますことをご理解ください。 取材・文/中小林亜紀 PHOTO:Getty Images
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