ドイツの工業力が生んだ「狂気」の自動車デザイン ゲルマン魂が光る奇妙なクルマ 30選 後編
フォルクスワーゲンXL1(2013年)
XL1には3人のデザイナーが関わった。その外観はペンギンにインスパイアされたという憶測が流れたが、デザイナーの1人であるピーター・ウーダはこれを否定し、サメにインスパイアされたと主張した。XL1の目標は、軽油1Lで100km走行することだった。 量産に入る前、2003年型、2009年型のタンデムL1、2011年型のXL1の3段階のコンセプトがある。2011年のコンセプトからほとんど変更されることなく、2013年モデルとして2012年に生産が開始された。2代目デザイナーであるクラウス・ツィシオラは現在のフォルクスワーゲンIDシリーズのデザインで知られ、3代目デザイナーのトーマス・インゲンラートはポールスター1および2でよく知られている。
BMW i3(2014年)
デザイナーのリチャード・キムは、BMW のE84型X1のエクステリアデザインで知られる。2011年、BMWはEVに特化した「i」ブランドを設立した。キムは2005年からBMWに所属しており、「i」の一員として電動化の未来をスケッチすることになった。 最初に彼がデザインしたのは、メガ・シティ・ビークル(MCV)としても知られるi3だ。エクステリアデザインで目指したのは、直線的なライン、水平ライン、垂直ラインをより多く作り出すことだった。 インテリアに異なる素材や形状を用いることで、乗員をリラックスさせ、「エネルギーレベルのバランスをとる」ように設計されている。i3は2022年に生産を終了したが、今日のBMWのEVラインナップへの道を切り開いた。
AUTOCAR UK(執筆) 林汰久也(翻訳)