【独自解説】なぜ未解決?男が関与ほのめかした17年前の未解決事件「加古川女児刺殺」捜査難航のワケ 手がかりは女児が残した「大人の男の人」
■動機は「少女の腹部を刺してシャツが血で染まるのを見たいという特異な性癖」
勝田容疑者の犯行の動機について、判決では「少女の腹部を刺してシャツが血で染まるのを見たいという特異な性癖に基づく」と指摘している。(姫路市の女子中学生殺人未遂事件・神戸地裁姫路支部の判決)
■たつの市の事件の翌年におきた加古川市の女児殺害事件でも関与をほのめかす供述
そして、たつの市の事件の翌年の2007年に起きたのが、同じ兵庫県西部の加古川市で、小学2年生の女児が殺害された事件だ。 捜査関係者によると、この事件についても、勝田容疑者は、関与をほのめかす供述をしているという。
■自宅前で帰宅した女児が殺害された事件に地域が震撼した
事件が起きたのは、2007年10月16日。 午後6時ごろ、帰宅した小学2年生の女児(7)が自宅前で何者かに刃物で刺されて殺害された。 帰宅した女児が自宅前で殺害されるという事件に、地域には衝撃が広がった。 大人たちは子どもたちの登下校に付き添い、校門では警察官が警戒にあたり、街から子どもたちが遊ぶ姿は消えた。あたりには、張り詰めた重い空気が漂っていたのを思い出す。
■明らかになったのは特異な犯行の状況
捜査で明らかになった犯行の状況は、特異なものだった。 女児は公園で友達と遊んだ後、自転車で帰宅。自宅に帰ってきたときには、玄関先で姉や妹と顔を合わせている。その後、自宅の裏手に回って自転車をとめ、玄関に戻るところを何者かに襲われたとみられる。 女児の悲鳴を聞いて、家族が自宅から飛び出すと、玄関先で女児が倒れていたという。 しかし、家族は犯人の姿を見ていない。一瞬の隙をついた犯行だった。
■捜査難航のワケ①目撃がない
事件の発生直後に行われる捜査は「定時通行車(者)の捜査」、通称「定通」だ。 犯行のあった時間帯に、事件現場やその周辺を通る人に対して行われる聞き込みのことだ。 多くの人は通勤や通学で毎日同じ道を同じ時間帯に通る。その人たちに話を聞き、不審者など事件につながる目撃を探すのだが、連日の「定通」でも、有力な目撃情報は出てこなかった。
■犯行の時間帯と現場周辺の地理
目撃情報が出てこなかった要因のひとつとして、犯行の時間帯があげられる。 犯行時刻は午後6時ごろ。日没から40分ほどがたち、すっかり暗くなっている時間だ。当時の映像を見ると、現場周辺に街灯は少なく、すれ違う人の顔を確認することは難しいことがわかる。