川口ゆかりのふたり暮らしのおしゃれレシピ「島根県・隠岐で叶う、大人の島旅」
というのも、神社の建築様式は主祭神の性別に合わせて造られており、本殿の屋根部分にある千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)で見分けることができるのだそう。こちらの玉若酢命神社は、千木の形が外削ぎになっているから祭神が男神というように、どのような神様を祀っているのかをひも解く楽しさにすっかり虜になってしまったのです。
そして、玉若酢命神社で最も異彩を放っていたのが参道脇にそびえ立つ八百杉(やおすぎ)。推定樹齢はなんと約2000年! ガイドブックで予習していたものの、いざ目の前にしてみるとその迫力たるや。静かに立ち止まり、ただただ眺めているだけでも、生命力が湧き出るようなエネルギーを感じとれるはずです。
火山活動と荒波が生んだ絶景に出会える西ノ島町
隠岐には神社以外にも見所がたくさん! なかでも、絶景ポイントとして抑えておきたいのが、摩天崖(まてんがい)です。ほぼ垂直にスパッと切りとられた断崖は約257mもあり、日本屈指の高さを誇るそう。コンビニも何もない、ありのままの自然だけが広がる絶景。地球の丸さがわかる水平線を眺めていれば、まっさらな気分に戻って明日への活力が湧いてくるはず。
自然が生み出した天然アーチの造形美!
摩天崖のてっぺんから観音岩のある国賀海岸まで、全長約2kmほどの摩天崖遊歩道を降りきった先にある通天橋(つうてんきょう)も見逃せないスポット。長い年月による海蝕作用で洞窟部分が崩落し、橋のようにアーチ状に残された奇岩は、さながら隠された秘境への入口といった雰囲気です。
個人的にこの旅で一番惹かれたのは、通天橋の近くに佇む国賀神社。素朴といってしまえば素朴だけれど、なんだか趣深くって。しばらくここから離れられなかったほど。潮の満ち引きや季節によって異なる表情を見せる拝殿、そこに広がる神域は穏やかで清々しい空気に包まれていました。
旅の目的になる隠岐グルメ
さて、観光地を巡ってお腹がすいたところでランチへ。旅のお楽しみといったら、ここでしか味わうことのできないグルメ! なかでも島前の南側にある知夫里島(ちぶりじま)で人気なのが「Chez SAWA(シェサワ)」。長野冬季オリンピックの迎賓館で各国の要人や皇族、王族の料理を任された岡田モミイチシェフが知夫里島に移住し、パートナーとともにオープンした本格フランス料理店なんて……そりゃ食いしん坊魂に火がつきます。