歯の根管治療は実は1~2回で終われるってホント? 中断すると歯を失うリスクも…
一般に、長引くと数ヶ月かかると思われがちな根管治療(歯の神経の治療)。しかし、実際は的確な治療によって「1ヶ月以内」に終われることがほとんどだそうです。 【イラスト解説】意外と知らない根管治療 検査・治療方法・痛みがある場合の対処法 「治療期間が長い」という理由で途中で中断してしまうと、最悪の場合、歯が残せなくなることもあります。 そこで、根管治療の治療期間の目安や中断するリスク、治療が長引いた場合の対処法などを髙井歯科クリニックの髙井先生に解説してもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
根管治療はどれぐらいかかる? 治療期間と通院頻度の目安
編集部: 一般に、根管治療はどのぐらいの期間がかかるのでしょうか? 髙井先生: 根管治療の期間については「1~2ヶ月ほどかかる」と思われている方が多く、実際に歯科医からそう説明を受けるケースも多いようです。 ただ、実際のところ、設備や環境が整っており、経験豊富な歯科医の下で行う根管治療であれば、通常は1回または2回の通院で終わることができます。 編集部: そうすると、設備や技術のしっかりした歯医者さんであれば、1ヶ月もかからないぐらいで治療が終わるということでしょうか? 髙井先生: はい。根管治療は5~10回ぐらいかかるという話をよく聞きますが、学術的にこれが正しいかというと、やや疑問が残ります。 先述のように、必要な設備と技術を有した歯科医であれば、多くても2回か3回、期間にして1ヶ月もかからないことがほとんどです。このあたりは、やはり歯科医の技術で大きな差が出てしまうところだと思います。 編集部: 通院の間隔や頻度はどのぐらいでしょうか? 髙井先生: 通院の間隔や頻度については、基本的に1週間に1回のペースでいいと思います。根管治療に関しては連日通って効果が出るわけでなく、根管に入れた薬剤を効かせるために1週間ぐらい空けたほうがいいという報告もあります。 編集部: つまり、早く終わらせたいからといって、短い間隔で通っても効果は得られないということでしょうか? 髙井先生: そうですね。治療直後は痛みや違和感が1週間ほど続くこともありますので、短い間隔で治療を進めるよりも、1週間おきに進めるのがベストだと思います。 編集部: 予定した治療期間よりも長引いてしまうケースもあるのでしょうか? 髙井先生: 湾曲や枝分かれなど、根管の形態が複雑なケースは一般に長引く傾向があります。 また、「根管に穴が空いている」「根管内で器具が折れている」など治療中に予期せぬトラブルに遭遇したケースについても、その対処のために治療回数が1~2回ほど増えてしまうことがあります。