23本のシュートを放った昌平が鹿島ユースを下す
高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2024 EAST第16節は9月28日、昌平高校グラウンドで1試合が行われ、昌平が鹿島アントラーズユースを1-0で下した。鹿島は3連敗。 【フォトギャラリー】昌平vs 鹿島アントラーズユース 9月29日にあった残り5試合の結果により昌平が暫定2位に浮上した。横浜FCユースが勝ち点32で首位。昌平と鹿島が6差で追い掛け、1試合少ない川崎フロンターレU-18、柏レイソルU-18、青森山田、流通経済大柏の4チームが勝ち点25で並ぶ混戦模様だ。 令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)で初優勝を飾った昌平は、ベストメンバーと言える顔触れが先発に名を連ね、1得点とはいえ多くの時間帯で主導権を握った。 昌平のキックオフで始まった上位決戦は、開始40秒ほどで先制ゴールが生まれ、残り90分以上もスコアの動かない持久戦だった。 左サイドでボールを預かったU-17日本代表のMF山口豪太(2年)が、ドリブルで中央に進出。2人のマークに遭いながら右足で放った強烈なシュートがこぼれ球となり、これに素早く反応したMF三浦悠代(3年)が決勝点を押し込んだ。三浦は通算6点目で、U-17日本代表のMF長璃喜(2年)と並んでチーム首位タイとなった。 昌平はこの後もボール支配率で上回り、スピード豊かなサイドアタックをはじめ、ドリブルと壁パスで相手のマークをはがしては何度も得点チャンスを迎えた。 3分に三浦のパスから主将のMF大谷湊斗(3年)が勢いのあるシュートを放てば、14分にはFW鄭志鍚(3年)の決定打のすぐ後に三浦が惜しいヘディングシュート。15分に山口、27分は鄭のスルーパスから大谷、36分には鄭が左FKのボールにヘッドで合わせるなど、前半だけで13本ものシュートを記録した。鹿島はつなぎのパスでミスが目立ち、好機でのクロスにもいくらか精度を欠いて昌平の堅ろうをなかなか崩し切れなかった。 それでも前半22分、右2列目の中川天蒼(2年)のクロスに通算7得点のFW長疾風(2年)が、バーに弾かれるヘディングシュート。終盤には2度の決定機を呼び込んだ。主将の左SB佐藤海宏が、左2列目の小笠原聖真(ともに3年)とのワンツーから43分に打った一撃は惜しくもGKの正面。右SB松本遥翔(3年)がこの1分後に放った鋭い弾道のロングシュートも、右ポストをかすめていった。 後半に入っても2点目を狙う昌平が攻勢に出た。三浦が4分に放った後はしばらく得点機がなかったが、39分に長の左クロスから交代出場したばかりのMF甲斐田裕大(3年)のヘッドはGKが好捕。41分には左SB上原悠都(3年)が敵ボールを奪い、パスを受けた長がカットインから狙ったがDFに当たってしまう。追加タイムにも途中出場のMF島田大雅(1年)が、右から強烈な一撃をお見舞いした。 通算8得点のFW吉田湊海(1年)を欠く鹿島は8分、攻め上がった松本が右から絶好のクロスを入れたが、MF平島大悟(1年)の頭にわずかに届かず、32分のFW髙木瑛人(中学3年)の決定的な一打もバーを通過。2試合続けて無得点に終わった。 昌平は鹿島の10本に対し、前後半で23本のシュートを記録。5月18日の第7節ではシュート数で9対4と上回った鹿島が、試合終了間際に右CKから得点して1-0で勝利したが、今回は結果と内容が正反対になった。 昌平の玉田圭司監督は試合後、イレブンに向けて「しっかり勝てたことは良かったが、2点目、3点目を取れていればもっと楽な試合ができていた。ここが課題。でも(雷雨で順延された)横浜FC戦を(9月18日に)こなして疲れもある中、90分よく戦ってくれた」と褒めた。 その横浜FCユース戦を0-1で落とし、4日後には柏レイソルU-18と0-0で引き分けた。2戦続けて無得点で白星がなかったが、エースの鄭は「勝利と得点がなかっただけに、90分頑張って点をやらずに勝ち点3を取れたのは、めちゃくちゃ大きいですね。DF陣とボランチがいい関係でボールを動かしてくれたことが、無失点につながったと思います」と喜んだ。 全国高校総体後のチーム状況について尋ねると、「途中から出てくる選手も活躍してくれて底上げができた。(3連覇の懸かる)全国選手権予選に向け、さらにチーム力が上がりました」と自分たちの力に手応えを感じているようだった。 (文・写真=河野正)