国際リニアコライダー計画で会見(全文1)ILCをつくらないと知ることできない
登壇する2人のノーベル賞博士の紹介
それでは早速、本日の登壇者、ノーベル物理学賞1979年受賞のシェルドン・グラショー博士、そしてノーベル物理学賞2017年受賞のバリー・バリッシュ博士です。皆さま、拍手でお招きください。 Please coming. To be care. 初めに、お2人と長きにわたり素粒子物理学の研究を行ってきました東北大学大学院理学研究科物理学専攻 素粒子実験グループの山本均教授にまず簡単にご紹介をいただきます。山本先生、よろしくお願いします。 山本:東北大学の山本と申します。グラショー先生とはハーバードで8年間教鞭を共にしまして、バリッシュ先生は、実は僕の博士研究の指導教官でいらっしゃいます。では、簡単にお2人の紹介をさせていただきます。 向かって右側の先生がグラショー先生ですけれども、先生はコーネル大学の学士号を経てハーバード大学において博士号を取られました。その後ハーバード大学からHiggins、物理学名誉教授の称号を授かっているほか、ボストン大学そして中国研究院からの称号も授かっております。先生のご専門は素粒子理論ですけれども、1979年にスティーヴン・ワインバーグ教授、それからアブドゥス・サラム教授と共にノーベル賞を受賞されました。受賞理由というのは、電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論に関するものなんですけれども、要するに現在の素粒子理論の核になる【部分 00:06:26】というのを構築された方です。 先生はとても気さくな方で、ユーモアのセンスも抜群です。特に言葉の遊びがお好きな方で、よく先生の冗談でその場の一堂が大笑いをするということもよくあります。 さて、向かって左側におられるのがバリー・バリッシュ先生ですけれども、学士号と博士号をカリフォルニア大学バークレー校で取得されました。その後、Caltechに移ってのちに教授となり、CaltechからLinde物理学教授の称号を授けられております。先生のご専門は素粒子実験でして、実験のテーマというのは電子・陽電子衝突機から重力波探索まで多岐にわたっております。昨年、2017年にはキップ・ソーン教授とそれからレイナー・ワイス教授と共に重力波の観測によってノーベル賞を受賞されました。そのほかにもEnrico Fermi Prize、それからHenry Draper Medalなど多数の賞を受賞されております。バリー・バリッシュ先生に関してはシェルドン・グラショー先生のような冗談話というのはなかなか聞かないんですけれども、というよりはまったく聞いていませんけれども、一方、先生は非常に系統的で手法論的なアプローチをする方です。 バリッシュ先生はILCの国際設計チームというのを2005年から8年間率いられましたけれども、企業などで使われている最先端の組織運営の手法というのを導入してプロジェクトを推進されました。そのようなアプローチがまた重力波の測定の成功につながったのだと思います。以上です。 司会:山本先生、どうもありがとうございました。それでは早速、まずは国際プロジェクトとしてのILC計画の意義と可能性と題しまして、シェルドン・グラショー博士からご講演をお願いいたします。