人口5万人の街に1万2000人が来場! 商工会議所発の音楽フェスが成功したワケ 街なか音楽祭「結いのおと」茨城県・結城市
ボランティアが主体の音楽フェス運営
近年、大型イベントでも、人件費の高騰や人員確保の課題が発生しています。そんな中で、「結いのおと」を支えているのは、なんとボランティアのスタッフ。自治体の関係者や地域住民、そして地方創生を学ぶ大学生や、もともとフェスに来場していた観客など、県外からも多くのボランティアが参加します。 「イベントが好きだから参加したいという人、運営の内側を見てみたい人など、関わる動機はいろいろです。初日にボランティアをして、2日目はお客さんとしてイベントを楽しむ人もいます。ルールをがちがちに決めるのではなく、ボランティアのみなさんにも主体性を大切にすることで良い関係のままイベントを実施できていますね」(野口さん)
「結いのおと」を開催初期から支えるボランティアスタッフの鈴木哲也さんは、結城市の近くの茨城県桜川市出身。前職は音楽業界で、現在は京都でご自身の音楽レーベルを主宰している、音楽のプロ。もともと野口さんらと知り合いだったわけではなく、ポスターを見て参加を決意したといいます。 「結いプロジェクトの問い合わせフォームから応募して、ボランティアとして参加しました。地元を盛り上げたい気持ちがありましたし、なにより『結い市』のポスタービジュアルがあまりにかっこよくて。仲間になりたいって思ったんです」(鈴木さん) 鈴木さんのような音楽業界の知識が豊富なボランティアが参加してくれたことで、運営も一気に前に進んだそうです。 「立ち上げ初期からプロに入っていただけたのはありがたかったですね。プロジェクト立ち上げ当初から、クリエイティブには力を入れてきたことで、こういうご縁に繋がりました。時間と労力をかけるからには、自分たちのやりたいことをしていきたい。私たちのワクワク感が伝わったのだとしたら嬉しいですね」(野口さん) 「結い市」の出店者も「結いのおと」の出演者も、公募は一切していないといいます。実行委員が「結城に来てほしい」と惚れ込んだ出店者やアーティストへ招待状を送っています。 イベントを企画することで、まずは結城市に来てもらい、そこから繋がりをつくる。「続けて、繋げる」ことが、結いプロジェクトが大切にしている考えです。