カシメロは4月に予定されていた井上尚弥戦に備え、米国フロリダ、ラスベガスで長期のトレーニングを行っており、ゾラニ・テテ(南アフリカ)を葬ったパワーが、もう一段、レベルアップしたかのようなボクシングだった。カシメロは、試合前に海外メディアに「次は井上尚弥との統一戦を行いたい」という希望を口にしていた。荒っぽく、井上尚弥からすれば穴の多いスタイルだが、統一戦の資格を得るにふさわしいファイトを見せた。 10月31日に米国ラスベガスでマロニ―との防衛戦を行う井上尚弥も、その発表会見で、「対戦相手が変わった以上、今はカシメロを考えていないが、お互いが勝ち上がれば、将来の対戦は見えてくる」と、3団体統一戦を次の目標に置いていることを明らかにしている。 大橋秀行会長も、「中止ではなく延期だと思っている」と、一度は流れたカシメロとの統一戦の実現に含みを持たせていた。 井上の“好敵手“が衝撃のTKOで勝ち上がってきたことで、4つのバンタム級のベルトを巡っての団体統一戦線が面白くなってきた。
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