井上尚弥の4.25米国カシメロとの3団体統一戦延期が決定!
猛威をふるう新型コロナウイルスの影響で4月25日に米国ラスベガスのマンダレイベイで行われる予定だったWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者、井上尚弥(26、大橋)と、WBO同級王者、ジョンリエル・カシメロ(31、フィリピン)の3団体統一戦が延期となった。この試合をプロモートするトップランク社が16日(日本時間17日)、「3、4月のすべての試合を延期する」と発表したもの。新型コロナウイルスの収束が見え次第、できる限り早く再スケジュールされるという。 当初、スタジオを使っての無観客試合も検討されていたが、米国本土での爆発的な感染拡大を受けてトランプ大統領が非常事態宣言を出し、米疾病対策センター(CDC)は「今後8週間、50人以上が集まるイベントの中止」を勧告した。無観客といえど、撮影スタッフや、報道陣を入れると「50人以上の集まり」となるため、実施は不可能になった。 米の専門サイト「ボクシングニュース24」によると、トップランク社は、「COVID-19のパンデミックにより、トップランク社は3月と4月に予定されているすべてのイベントを延期しました。今後の状況を見守り、安全かつ合理的な範囲で試合を再スケジュールします」とプレスリリース。トップランク社のCEOであるボブ・アラム氏は、「次の試合を計画する際に重要なのは、ボクサー、スタッフらの健康と安全だ。ファンに再びワールドクラスのボクシングを届けることのできる日を楽しみにしているが、今の時点では慎重に行動することが最も賢明だ」とコメントを寄せている。 昨年11月に横浜アリーナで開催されたWBSSの決勝で、5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)を判定で破り、世界的な評価をアップさせた井上は、世界的プロモート会社であるトップランク社と契約。この4月25日に”聖地ラスベガス”で行われる3団体統一戦が、さらに”モンスター”の価値を本場で上げるための大きな舞台だった。 井上は、大橋会長が用意した3人のフィリピンのスパーリングパートナーと「100%試合があること」を想定してスパーリングを本格化させていた。「もしかしたら延期かも」の情報は、周囲からもたらされていたが、「どんな状況になってもやることはひとつ」と、雑音を封じてトレーニングに集中していた。 一方のカシメロも米国フロリダに乗り込んでキャンプを張っており、ラスベガスへ移動して第二次キャンプに移行する直前だった。 井上にとってモチベーションの上がる好カードだっただけに、延期決定のニュースはショックだろうが、中止ではなく延期。今は新型コロナの収束を待つしかない。