年金の「住民税の定額減税」が10月からスタート。手取り額が変動する理由は他にもある?年金額面の一覧つき
公的年金の手取り額「2024年10月支給分」が変わるワケとは?
2024年10月支給の公的年金において、手取り額が変わる理由は「天引きされる税金や社会保険料の変動」です。 ●公的年金から天引きされる「保険料や税金」は? 公的年金から、以下のような保険料や税金が天引きされます。 ・国民健康保険料 ・後期高齢者医療保険料 ・介護保険料 ・住民税と森林環境税(※) ・所得税と復興特別所得税 ※「森林環境税」は日本に住む個人の方が課税対象となります。2024年10月から住民税の均等割に〈年間1000円〉上乗せして徴収されます。 公的年金の仮徴収と本徴収 所得税以外は「前年の所得」をもとに決定されるため、4月~8月支給の公的年金ではまだ決定されず、「仮徴収」として前年度と同様の金額が天引きされます。 以上の事情により、本徴収がスタートするのは10月からとなるため、手取り額が変わるケースがあります。 ※自治体によってスケジュールが異なります。 所得により個人差が生じるため、天引き額が増えて公的年金の手取り額が減る人や、天引き額が減り手取り額が増える人もいるでしょう。
公的年金(国民年金・厚生年金)のしくみ
日本の公的年金制度は「1階:国民年金」「2階:厚生年金」の2階建て構造です。 ●国民年金:1階部分 ・加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳までの全員 ・年金保険料:全員定額(※1) ・老後の年金額:全期間(40年間)保険料を納めると、満額(2024年度の月額6万8000円)受給できる 国民年金の被保険者は、働き方などにより「3つに分類」されます。 国民年金の被保険者 ・第1号被保険者:20歳以上の学生や自営業者など。一律の保険料を一定期間以上(※2)納めることで、老後に老齢基礎年金が受け取れる ・第2号被保険者:会社員や公務員、一定の要件を満たすパート・アルバイトの方など。厚生年金にも加入し、収入などに応じた保険料を納めることで将来、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取れる ・第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者。保険料の納付義務はなく、将来は老齢基礎年金が受け取れる (※1)国民年金保険料:2024年度は月額1万6980円(毎年度改定されます) (※2)原則、保険料納付済等期間が「10年以上」必要です。ただし、保険料納付済等期間が10年に満たない方でも、国民年金の「任意加入」や「後納制度」により、保険料納付済等期間が10年以上になると年金の受給権が発生します。 ●厚生年金:2階部分 ・加入対象:会社員や公務員、パート・アルバイトで一定要件を満たした方(※国民年金に上乗せで加入) ・年金保険料:給与や賞与に応じて決定される(上限あり) ・老後の年金額:納付済保険料額や年金加入期間で計算されるので、個人差が生じやすい 会社員や公務員、一定の要件を満たすパート・アルバイトの方などは「第2号被保険者」となり、国民年金に上乗せして厚生年金に加入します。 収入が多く、厚生年金保険に長く加入した方ほど、受給できる厚生年金が多くなるしくみです。ただし、厚生年金保険料には上限があるため、収入が多くても受給できる厚生年金は頭打ちになるケースもあります。 次は、国民年金と厚生年金の「平均額」を見ていきましょう。