ギャルに再び脚光、令和時代は「マインド」重視に 朝ドラ「おむすび」で注目
平成の時代にムーブメントを巻き起こした「ギャル」文化が、再び脚光を浴びている。「平成ギャル」を主人公にしたNHKの朝ドラ(連続テレビ小説)も始まった。ビジネスの場で、持ち前の明るさやコミュニケーション能力の高さといった「ギャルマインド」が評価されているようだ。 【写真】ギャル作成のIR資料。「超チル」「しか勝たん」で業績アピール ■企業の株主総会で 鎌倉時代の名刹・建長寺で今年3月に開かれた、IT企業「カヤック」(神奈川県鎌倉市)の株主総会。膝上丈のスカートにネクタイの制服姿で、髪色を明るく染めた女子高生3人が、株主を前に、新たなイベント企画「ギャルミュージアム」を提案した。 澤本蓮さん(16)、高橋七海さん(17)、染谷柊南(しゅな)さん(16)。 3人は、通信制高校生のためのサポート校、BLEA(ブレア)女子高等部(東京)の同級生だ。ファッションや美容、芸能などの専門分野が学べて、髪色は自由、メークやピアスを禁じる校則がなく、生徒にギャルが多いことで知られる。 カヤックは広告やイベント、地方創生を手がける企業。平成31年から始まった企画展「うんこミュージアム」は、国内外累計で来場者数150万人を突破した。 ■IR資料にも アイデア勝負の同社が着目したのがギャルの存在。令和4年には、堅苦しくなりがちなIR(投資家情報)の資料をギャルならではの感性と言葉で作成する試みを行った。 今年は澤本さんら3人がユーチューブで同社の株主総会を実況中継スタイルで生配信。「いつもこの時期にやるの?」(染谷さん)「カヤックに所属してる人たちも株が買えるの?」(澤本さん)などと、疑問に思ったことを社員に問いかけ、説明を引き出した。 同社の広報担当、梶陽子さんは、「株主の前でも物おじせず、新たなイベントのアイデアを出してもらったり、閉鎖的で堅苦しくなりがちな株主総会が明るくアットホームになった」と評した。 ■外見より内面 ルーズソックスに厚底ブーツ。平成時代の流行は、ギャルが火付け役となって生まれた。令和の女子高生の3人も、見た目が華やかで、よくしゃべり、よく笑う。ギャルの定義を尋ねると、「それって難しい」としながらも、澤本さんが次のように教えてくれた。 化粧やファッションなど外見へのこだわりもあるけれど、内面が重要だという。「おちゃらけてるけど、礼儀はしっかりする。どんなことがあっても明るく乗り切る、みたいなマインドを持っているのが、ギャルじゃないかな。私はリアルなギャルを目指して頑張ってる途中ですね」