【分析】ドル円相場は「ドル安・円高に転換」か「ドル高・円安継続」か【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
一本調子のドル高・円安は収束か、ただ収支構造上、年度内140円水準の回帰は難しいだろう
なお、米国ではインフレの落ち着きを評価する複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官発言を受け、9月の米利下げ開始がほぼ織り込まれました。日米長期金利差は縮小しつつありますが、ドル円相場との乖離は依然大きい状況です(図表1)。この背景には、投機筋が円売りポジションを大幅に積み上げていることも影響していると思われ(図表2)、ポジション解消による円買いが進めば、乖離の縮小が見込まれます。 この先、米国の利下げと日本の追加利上げの時期が近づくにつれ、一本調子のドル高・円安は収束し、ドル円相場はドル安・円高方向に進んでいく公算は大きいとみています。ただ、 7月4日付レポート で解説した通り、近年、日本の収支構造の変化によって、円の需給は供給超過(円安要因)になりつつある模様で、よほど想定外の金融ショックなどが発生しない限り、ドル円が年度内に年初の140円水準まで戻るのは相当困難と考えています。 (2024年7月19日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【分析】ドル円相場は「ドル安・円高に転換」か「ドル高・円安継続」か【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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