今度は“他人の健康”気になりだしたホリエモン 「ピ」予防の重要性語る
ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏が「むだ死にしない技術」(マガジンハウス刊)という「予防医療」をテーマにした書籍を、複数の専門医らと共著で出版した。堀江氏といえば、IT関連事業はもとより、宇宙開発事業やスマホアプリ「TERIYAKI」、「755」のプロデュースを手掛けるなど、常にその動向が注目を集めている。そんな堀江氏が、今度は医療の世界に風穴を開けようとしている――。 堀江氏は2015年10月に、医師や経営者、クリエイター、起業家などの有志とともに「予防医療普及委員会」(現・一般社団法人予防医療普及協会)を立ち上げ、最初の取り組みとして「胃がん撲滅」を目標とする “「ピ」プロジェクト”を発足した。 「ピ」とは胃がんの原因の99%に関与しているピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の頭文字をとったもの。 国内では毎年約5万人もが胃がんで死亡しているが、この菌を早期に除去できていれば、発がんのリスクは高確率で抑えられる。この事実を多くの人に知ってもらい、ピロリ菌検査の実施を促すのがプロジェクトの狙いだという。
大事なことが一般の人に知られていないという危機感
これまでの堀江氏のイメージからすると、「ホリエモン=医療、健康」という図式は結びつきにくいようにも思われるが、堀江氏はこう語る。 「元々、『健康で長生きしたい』という思いはずっと前から持っていたんです。一般に、健康で長生きするためには高度な医療や特別な努力が必要だと思われがちですが、よくよく現状を見ると、人が病気に罹る大きな原因の一つは“予防をしていない”ということだと分かり、それなら誰でも簡単にできるじゃないかと思ったんです」 こうして「予防医療」の分野に強い関心を抱いた堀江氏が実際に動き出してみると、「周りの仲間に話したら、『ピロリ菌』と胃がんの関係は医療関係者以外にはあまり知られておらず、大事なことが一般の人に伝わっていないという危機感が募った」 また、ピロリ菌の話は予防知識の必要性を示すには、非常に分かりやすいテーマだということで、賛同者が集まったという。 「僕自身は医師ではないけれど、医師たちと協力すれば病気の予防に対する意識を変えていくような活動ができると思いました。日本では健康法や病気の治療法に関する本がよく売れているわりに、はっきりとしたエビデンスがないものも多い。予防に関する情報は意外に少ないんですよ」という。